eスポーツ関連の情報や話題をお届けする【eスポーツフィールド】

catch-img

20年前の定番マウスが最新ゲーミングマウスになって復刻!「Microsoft Pro IntelliMouse」レビュー

 今回レビューするのは、8月に発売されたばかりのマイクロソフト製ゲーミングマウス「Microsoft Pro IntelliMouse」。本機は新製品ではあるが、製品を理解するには、長い歴史を持つ「IntelliMouse」について知っておかねばならない。

 「IntelliMouse」は、1997年にマイクロソフトが発売したマウス。今では当たり前となったマウスホイールを搭載したことで話題になり、PC用のマウスと言えばこれというくらいに業界標準のマウスとなった。

 続いて1999年、新型となる「IntelliMouse Explorer」が発売される。大型で手に沿う形状に加え、ボールではなく光学センサーで位置を検出するという仕組みで話題になり、やはり多くのユーザーに親しまれた。

 さらに2001年、デザインを変更し光学センサーを高性能化した「IntelliMouse Explorer 3.0」が発売。2003年にはチルトホイールを備えた「IntelliMouse Explorer 4.0」も登場した。

 このころには、レーザーセンサーを使ったマウスが市場に出始めていた。高い解像度を持つレーザーセンサーは、光学センサーより高性能をうたい、光学センサーの製品は安物として見られがちになった。その勢いに押されてか、「IntelliMouse」シリーズもこれを最後に新製品が途絶えて、生産を終了してしまう。

 しかしゲーマーの中には、「IntelliMouse Explorer」を使い続ける人がいた。手になじむ独特な形状が好まれたことに加え、レーザーセンサーより光学センサーの方が操作の追従性がよいと言うのだ。

 そのため、ゲーム向けの高性能なマウス、いわゆるゲーミングマウスの製品においても、レーザーセンサーが主流ながらも光学センサーが生き残り、また「IntelliMouse Explorer」の形状に似せたマウスがいくつも発売された。2000年代初頭のゲーマーに、「IntelliMouse Explorer」は強烈なインパクトを残したデバイスなのだ。

 そしてマイクロソフトも根強い人気に押されて「IntelliMouse Explorer」の復刻版を発売する。シリーズの中でも人気の高い「IntelliMouse Explorer 3.0」をベースにしたもので、最近では2018年に「Classic IntelliMouse」という名前で登場している。

 そして今回登場した「Microsoft Pro IntelliMouse」。形状はやはり「IntelliMouse Explorer 3.0」をベースに、当時は解像度が400dpiだったセンサーは、最高16,000dpiにまで強化され、ゲーミングマウスとして生まれ変わった。……というわけで前置きが長くなったが、「Microsoft Pro IntelliMouse」の製品を見ていきたい。





 まずはスペックの確認から。解像度は最高16,000dpi、リフレッシュレートは最高12,000fps、トラッキングスピードは最大400ips、加速度は最高50Gと、最新のゲーミングマウスに並ぶ高性能を有している。平たく言えば、「IntelliMouse Explorer 3.0」の中身を最新のゲーミングマウスにしたもの、となる。

 本体サイズは約132×69×43mm、ケーブル長は183mm。重量は本体のみで104g、ケーブル込みで132±8g。本体の形状は「IntelliMouse Explorer 3.0」とほぼ同じで、かなり大柄ながら手にすっぽりと収まるエルゴノミクスデザイン(当時はこの言葉もよく耳にした)。ボタンは左右のクリックとホイール、2つのサイドボタンの計5つ。ホイールはチルト操作には非対応。これも「IntelliMouse Explorer 3.0」と全く同じだ。

ホイールと2つのサイドボタン。今でこそ当たり前だが、20年前には画期的なデザインだった

 デザイン的な違いは、表面塗装がグレーからホワイトへのグラデーションになったこと(シャドウホワイトモデル。シャドウブラックモデルではブラックからグレーへのグラデーション)。また本体に描かれたロゴがMicrosoftの文字ではなく、Windowsのマークになった。そして本体後部にあるLED部分の形状が変わっている。

本体後部はロゴとLED、色味が変更され、「IntelliMouse Explorer 3.0」とは印象が変わった

 筆者がこの形のマウスを触るのは、まさに「IntelliMouse Explorer 3.0」以来なので15年ぶりくらいだと思う。触ってみると、確かに当時はこんな手触りだったなと思い出すとともに、今をもってとても持ちやすい形状だなと感じる。筆者は小さめのマウスが好みで、本機はその対極にあるのだが、その大きさを感じさせない軽さと持ちやすさを合わせ持っている。根強い人気があるのも認めざるを得ない。

 ボタンのクリック感も、変に押し込みが深いようなこともなく、ゲーミングマウスとして見ても標準的。クリック音がやや大きめかなと感じる程度だ。ホイールはシンプルで小さめながら、チルトがないので押し込みも自然。サイドボタンも含めて、全体的にタッチが軽い。

 底面を見ると、ほぼ中央にセンサーがある。マウスソールも当時と同じく、四隅に楕円形の小さなものが付いている。最近のゲーミングマウスは摩耗を意識してか、かなり大きめのマウスソールを採用しているものが多いが、本機はあくまでも当時の再現性を優先しているようだ。ただ以前は底面の素材が赤い半透明だったのが、本機は不透明の黒になっている。

センサーは全く違うものだが、マウスソールの配置や形状はほぼそのまま

 使用時にはUSBケーブルを接続するだけでも動作するが、接続すると専用のカスタマイズソフトである「Microsoft マウス キーボード センター」をダウンロードするサイトが通知される。ソフトを入れると、マウスのさまざまな機能をカスタマイズできる。

 カスタマイズ項目は、各ボタンやホイールの機能切り替え、解像度の変更など。左右ボタンはクリック機能の左右入れ替えのみ対応で、ホイールボタンとサイドボタンは連続したキー操作を記録できるマクロ機能も用意されている。

機能をカスタマイズできるソフト「Microsoft マウス キーボード センター」

 解像度設定は、200~16,000dpiの範囲で50dpiごとに設定できる。「IntelliMouse Explorer 3.0」を再現する400dpiにも設定可能だ。解像度の設定は1つしかできず、切り替え用のボタンは用意されていない。ホイールボタンやサイドボタンを解像度切り替え用のボタンとすることで、最大5つの解像度を切り替えて使用できるが、切り替えたボタンの元の機能が失われるため使いにくい。dpiは固定で使う前提の方がよさそうだ。

解像度は50dpi刻みで調整可能

 設定項目で注意したいのは、ホイールの部分。垂直スクロールの移動量は当然調整できるが、これに加えて「垂直スクロールの加速」という項目がある。これは素早くホイールを回すと、より多くスクロールするようになるもので、スクロール操作が多い人には重宝するだろう。ただ慣れていないと、思った以上にスクロールしているなど操作に違和感が出る。初期値がオンになっているので、不要ならオフにしておくといい。

「垂直スクロールの加速」項目は、オン・オフ切り替えて試してみて欲しい

 パフォーマンス設定の項目では、リフトオフディスタンスも設定できる。2mmが標準で、3mmも選べるほか、カスタムサーフェイスとして自動補正も可能。設定は補正したいマウスパッドの上でマウスを動かすだけで完了するので簡単だが、リフトオフディスタンスがいくつになったのかは数値として出ないのが残念。2mmと3mmは動かしてみて明らかに違いがわかるのだが、自動補正したものは2mmと違いが感じられなかった。

マウスパッドは自動補正もできるが、効果ははっきりしなかった

 同じくパフォーマンス設定の項目にAngel Snappingというものがある。「センサーが自動的に小規模なカーソル移動偏差を修正する」と説明があり、どうやらマウスの僅かな揺れを直線的に補正する機能のようだ。細かなブレが気になる作業があるならオンにしてもいいが、ゲームではユーザーが想定した操作からずれる可能性があるので、オフにした方がよさそうだ。

Angel Snappingをオフ、弱(設定1)、強(設定5)で、マウスを使ってゆっくりと横線を引いてみた

 このほか、テールライトの設定の項目で、LEDの配色も変更できる。色は好みの色を1つだけ設定して光らせるか、あるいは黒を選んで消灯もできる。明るさの調整や、明滅したり色が変化するなどの効果は付けられない。ただXboxダイナミック照明効果に対応したアプリケーションで、LEDの光り方を変化させる機能が用意されている(オフにすることも可能)。

LEDの色も調整できるが、明るさや効果の設定はない

 設定項目は昨今のゲーミングマウスに比べると少ないが、必要最低限のものは押さえているという印象だ。そもそも復刻製品でありデザインの制約を受けている中では、できるだけのことはやっていると思う。

 最後に使用感について。大型の本体の割には軽量のため、操作はなかなか軽快だ。本体表面のさらさらした手触りは手汗が気になりにくく、側面のラバー素材も強すぎない程度のグリップがある。持ちやすい形状と相まって、大きさの割には疲れやすいとは感じない。ただサイズが大きいのは事実なので、女性など手が小さい人は本機の大きさを確かめてから選ぶ方がいい。

 センサーの感度には何ら問題を感じない。筆者は普段、他社のゲーミングマウスを2,000dpiで使用しており、本機もそれに合わせてみたところ、やはり違和感なく操作できる。センサー位置も本体中央部とオーソドックスな位置にあるため、動きも無難な印象だ。

 ケーブルは編組の被覆に変更されており、耐久性を高めている。編み目が細かく頑丈そうで、ケーブルもマウスを押し返さない程度には柔らかい。ゲーミングマウスはほとんどの製品で編組の被覆が採用されており、本機もここはそれにならった仕様に変更したようだ。

ケーブルは編組を採用して耐久力を高めつつ、適度な柔らかさも維持

 試しにFPS練習ソフトの「Aim Lab」をプレイしてみたところ、普段使うマウスとほぼ変わらないスコアが出せていた。マウスが大きいため普段とは持ち方から違うのだが、ホールド感の良さと軽さでカバーできていると感じた。ただマウスソールが小さいため、柔らかめのマウスパッドでは設置場所が沈みやすく、ソール以外の底面が触れて滑りが悪くなると感じた。固めのマウスパッドの方が相性は良さそうだ。

 「IntelliMouse Explorer 3.0」の長年のファンは当然期待すべきゲーミングマウスだが、過去に触れたことのないゲーマーにもぜひ触れてみて欲しい。性能面は最新のゲーミングマウスに引けを取らないので、独特な形状が手にフィットすれば、他にない魅力を放つ製品であることは間違いない。復刻版として見るのではなく、改めて最新のゲーミングマウスとして各々で評価してもらいたい。


・Microsoft Pro IntelliMouse
https://blogs.windows.com/japan/2019/07/17/microsoft-pro-intellimouse/

石田賀津男

石田賀津男

eスポーツFIELD

配信は「日本のファンの皆さんとのコミュニケーション」のため――Sengoku Gaming所属Blank選手インタビュー後編――

2019-11-18 10:52

Sengoku Gaming所属Blank選手インタビュー後編 この記事は前編の続きとなります。前編をお読みになっていない方は先にそちらをご覧いただいてからこちらに戻ってきていただけると、より読みやすいかと思います。

Worldsは「楽な気持ちで練習室でゲームしているかのように」――Sengoku Gaming所属Blank選手インタビュー前編――

2019-11-15 11:00

スケジュールの合間にソウル・明洞にある静かなカフェでBlank選手に会ってきました!Blank選手が話しやすいよう時系列に聞いてきたので、読者の皆さんにもひとりの若者のストーリーとして楽しんでもらえたら幸いです。

Rascal Jester出場のPUBG世界大会「PGC 2019」メディアデーの裏側レポート&グループステージ後インタビュー

2019-11-14 16:52

2019年11月、アメリカにて開催されている『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の世界大会「PUBG Global Championship 2019」(以下、PGC)において、Rascal Jesterがグループステージに出場しました。

PUBG世界大会「PGC 2019」グループステージ出場を目前に控えたRascal Jesterに現地インタビュー

2019-11-08 15:35

2019年11月にアメリカにて開催される『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の世界大会「PUBG Global Championship 2019」(以下、PGC)に、Rascal Jesterが出場します。

リーグ・オブ・レジェンド同好会 座談会 - 後編「お気に入り・こだわりのチャンピオン」

2019-11-07 17:03

サードウェーブに実在する「リーグ・オブ・レジェンド同好会」にリーグ・オブ・レジェンドの魅力を語ってもらう座談会【後編】! 今回はお気に入りのチャンピオンのハナシから聞いてみました。