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【Hades】ギリシャ神話の冥界が舞台の家出ローグライクアクション 帰ってきたガレリアPCゲーム探訪記

公開日:2021/1/19

 令和3年のプレイ初めとなったゲームは、ローグライクアクションの『Hades』。ローグライクとは毎回プレイするたびランダムに変化するダンジョンや敵の種類、道中で手に入るアイテムやパワーアップをやりくりしてアドリブで進めるところまで進み、死んだら最初からやり直しという、最近定番になっているジャンルだ。

 ありふれたド定番的システムのはずだが、アメリカのニュース雑誌『TIME』が毎年選ぶベストビデオゲーム10にて、2020年の堂々のトップに君臨。数あるジャンル作品の中でも埋もれないほど、飛び抜けて面白い逸品と評価されているわけだ。

参考:The Best Video Games of 2020 | Time

 舞台となるのはギリシャ神話における冥界。主人公のザグレウス王子は冥界の王ハーデスの息子であり、まだ見ぬ母に会いに行こうとして父親の配下にあるモンスター達を倒して地上を目指す。つまり「家出ゲーム」である。


冥界を司るハデスは主人公のお父さん。主人公が死んで実家に戻るたびに、色々な説教が聞ける。

  ザグレウスにとって冥界は自宅であり、家の各部屋を通って最終フロアまで踏破しようとしては連れ戻される。このゲームでの死亡とは「自宅への強制送還」で、毎回の試練は「お坊ちゃんを外に行かせないよう頑張る従業員」との戦い、拠点となるのはおうち(冥界)にあるマイルーム。これほど死に戻りのローグライクと相性バッチリの設定は見たことがない。

 ザグレウスの攻撃手段は、通常攻撃(Attack)とスペシャル攻撃(Special)、そして遠距離攻撃(Cast)の3種類。この構成ならCastを遠くから撃って間合いを詰められたら逃げて……を繰り返せばよさそうだが、Castは敵に当たると一定時間体内に留まり、それを回収するまでは次が撃てない。プレイが単調にならないよう、よく考えられた作りだ。
 

超攻撃スタイルで防御力は紙の主人公

 ザグレウスの武器は全6種類。最初は剣しか使えないが、鍵を集めて1個ずつアンロックしていく。ギリシャ神話は人類の文明よりはるか昔のはずだが、なぜか銃があるのはツッコまないでおきたい。


武器はアンロックしたものであれば、どれでもリスタート時に選べる。それぞれに育成要素もアリ。

 刀や槍は名前から想像できる通りの性能で、それぞれ敵に近づいてバッサリか中距離からチクチクと刺していく。弓も銃も一発の威力はさほどない代わりに、遠くの間合いから一方的に攻撃できる。反射神経に自信があれば剣やナックルで超接近戦を挑むもよし、なければ地道に弓や銃で敵の体力を削っていく。自分のスタイルに合った武器を選べるのだ。

 そんな中でも異色なのが「盾」だろう。通常技は盾で殴り、スペシャルでは盾をブーメランのように投げる。通常攻撃ボタンを押しっぱなしにすると前方からの攻撃を防ぎ、離すと突進して敵に連続ダメージ。どこのキャプテン○メリカでしょうか。


遠くから攻撃できて、構えれば(ボタン押しっぱなし)ボスの突進さえも防げる盾は、プレイが最も安定する印象だ。

 攻撃以上に大事なのが、ダッシュによる回避だ。なるべく敵を一方的に殴り、近づかれたら即逃げる。ザグレウスはキビキビ動くので、操作しているだけで気持ちいい。
というか、たえまなく動かないとすぐに死ぬ。ごく一般的なアクションの感覚で遊んでいると、体力回復リソースが極端に少ないことに驚くはず。「ダメージを喰らう=死が近づく」と思っておけばちょうど良く、おかげでスリルと緊張感が保たれている。

このゲームではザコの動きも素早く、ラッシュをかけられると体力が削られまくる。回避が超大事。
 

周回のたびに「Boons」でキャラビルドする面白さ

 ザグレウスは各部屋の敵をせん滅すると、次の部屋に進める。そこで手に入る報酬はアイコンにより明らかにされており、自分の欲しい強化なりアイテムを目当てに部屋を選べる(こともある)しくみだ。ただし、アイコンには文字が書いておらず、形の区別が付きにくいものもあり、慣れるまでは少し辛い。


いわゆるルート分岐。アイコンがハート型なら体力増加だと分かるが、他が本当に分かりづらい。

 さてローグライクといえば道中での強化だが、ここはギリシャ神話の世界。それだけにザグレウスが神々からの恩寵=Boonsを授かるという形になっている。すべてのBoonsには神々が割り振られており、全10系統。Boonsを取得するときに3つ選択肢が登場し、そのうち1つがザグレウスの力となる。


神々からの贈り物Boonsは3つの中から選ぶ。異なるBoonsの組み合わせによっては絶大な効果を発揮できる。

 そのうち分かりやすいのがZeus(ゼウス)。雷の神ということで、攻撃を当てた敵から他の敵に雷が連鎖したり、ダッシュすれば敵に落ちたり、イメージ通りの効果がある。Poseidon(ポセイドン)はそれを水に置き換えたもので、水流で敵を吹き飛ばしたりする。ほかArtemis(アルテミス)は盾を持ってるから防御力アップとして、Ares(アレス)は戦の神……どういう恩恵が?


戦いの神アレスのBoonsは攻撃力の底上げ。敵の数を減らす攻撃こそ最大の防御なので、積極的に取りたい。

 実は敵を殴ると追加で大ダメージが入ってとても強力、というのが使ううちに理解できた。Artemis(アルテミス)のクリティカル率アップは目に見えるものではないので戸惑ったが「あ、会心の一撃が増えた!」とじわじわ実感されていった。長い付き合いを通じてシステムを解き明かすのも(かなり攻略wikiの力は借りたけど)またゲームなのだろう。

 そうしたBoonsもまたランダムで、1つずつ地道に積み重ねてザグレウスを強化していく。たとえば銃のスペシャルで数カ所を同時に範囲攻撃し、ダッシュするだけでザコどもがバタバタ倒れ、通常攻撃を当てるたびに体力が回復する最強のビルドができた……と思ったら強力なボスに初見殺しされ、集めたすべてのBoonsは没収される哀しさ。

 でも、次は敵の懐に飛び込んで超インファイトで攻めまくるビルドができたり、プレイの数だけ異なる面白さが楽しめる。一回たりとも同じキャラや同じプレイが再現されない、飽きずに遊べるローグライクの醍醐味がここにはある。
 

ギリシャの神々との恋愛ゲーム要素もアリ

 1回死ぬごとにBoonsはゼロから集め直しになるが、持ち帰れるリソースもある。それが「Darkness」と「Chthonic Key」(鍵)という消費アイテムだ。

 血の海から自分の部屋に戻ってから第1にやるべきは、自分の部屋にある鏡の前に行ってザグレウス本人をDarknessを使って強化すること。そこで「Greater Reflex」、つまりダッシュ2回をできるようにするのが最優先で、敵から喰らうダメージがグッと減らせる。


ザグレウスの部屋にある大きな鏡。自分に見蕩れてウットリ……ではなく新たなスキルを獲得して自分磨きだ。

 ほか王子が一度死んでも復活させる(残機を増やす)「Death Defiance」や体力の上限を上げる「Thick Skin」(皮を分厚くする)など、王子を死ににくするよう守りを固めていきたい。

 鍵は新たな武器をロック解除するほか、鏡で強化できる項目を増やすことにも使える。1つずつの強化はわずかなものだが、周回ごとに敵をせん滅しやすく、王子がたくましくなっていると実感できるはず。武器の強化もできるが、中ボスのドロップアイテムが必要(つまり何回か倒さないといけない)ためハードルは少し高め。


地上までの何カ所かには中ボスが待っているが、どれも強敵ぞろい。中にはギリシャ神話の超有名人(半分は牛?)もいる。

 またザグレウスが関わっていく神々との関係もリセットされず、何回もマラソンするたびに深まっていく。リスタート地点近くにいる Hypnos(ヒュプノス)はゲームオーバーごとに「今回はこんな死に方をしたね!」とウキウキ語ってくれるし(煽られてる?)父ハデスも「お前、何度やったら逃げられないと分かるんだ」と説教のバリエーションも豊か。


死に戻りしているのは主人公だけじゃない。中ボスも死んでは復活し「まだ諦めないの?」とウンザリしたセリフを言うことも。

 Boonsをくれる神様たちもセリフが色々と用意されている上に、中ボスらも固定ではなく交代になることもあり。そればかりか果実を渡すと好感度が上がっていったり、「私と彼、どっちを選ぶの?」という二択が現われたりする(選ばなかった方に襲われる)恋愛ゲーム的な要素もあり。


中ボスを撃破すると、地上までのおよその距離が分かるマップが出現。母をたずねて30万kmぐらいかも。

 そんな神々の掛けあいが魅力の大きな部分を占めているため、テキストも味わい尽くしたい……のだが、残念ながら記事執筆時点では日本語に未対応のため、英語の長文を気合いで読むしかない。2020年冬(すでに過ぎてしまったが)にNintendo Switchの日本向け配信が決定しているので、Steam版も日本語ローカライズされることを期待したい。

 

steam公式サイト

Steam:Hades

Reported by 多根 清史
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