【Skul: The Hero Slayer】主人公はちびっ子スケルトン、敵は勇者 帰ってきたガレリアPCゲーム探訪記

公開日:2020/9/17

今回ご紹介するのは、ローグライクアクションの『Skull The Hero Slayer』。前回の『20XX』から続いてローグライク=「ゲームオーバーになるたび、ゼロから何度もやり直す」ジャンルとなるが、この方面は種類が多いだけにそれぞれ差別化にも力が入れられており、実際遊ぶと全く違うテイストなのでカブリの心配は少なかったりする。

さて本作の主人公は、ちびっ子スケルトンのスカル。RPGの序盤で経験値稼ぎの友になったり、アクションでも大量に出てきてバッサバッサなぎ倒されるザコ・オブ・ザコの顔役だ。しかしスカルは、他とは違う「特別」なスケルトンなのだった……。

いつもそうであったように、人間たちは魔王の城を襲撃。ふだんと違った点は、冒険家だけでなく初代勇者や帝国軍まで合流して総攻撃を仕掛けたことだった。魔王をはじめ魔族たちは全員人間たちにつかまり、残ったのは警備を担当している「スカル」だけだった--そんな侵略する側とされる側、人間と魔物の立場が入れ替わったお話だ。

魔王城は勇者や人間たちに蹂躙され、残されたのはちびっ子スケルトンただ1匹。魔女の力を借りて過酷な戦いが始まる

本作はいわゆるプラットフォーム・アクション。キャラクターをジャンプさせて足場から足場に飛び移り、通常攻撃と特殊攻撃の「スキル」で敵をバッサバッサとなぎ倒していく。操作感覚がモッサリしていると興ざめだが、主人公のスカルは実によく動きよく倒す。

今どきドット絵の2Dゲームのため重いグラフィック処理はないとはいえ、スキを見ては殴りかかり、反撃を受ける前にさっと避けるヒットアンドアウェーも軽快に行える。初期状態から2段ジャンプもできて段差の移動も楽ちんだし、「穴に落ちて死亡」もなく(そもそも「穴」がない)、少なくとも操作的にストレスを感じることはゼロだろう。

敵は人間のはずだが、なぜか魔物達もスカルのゆくてに立ち塞がる。ステージクリアしてもHPは回復しないので「ダメージを負わずに倒す」ことが重要だ

またスカルはちびっ子ながら意外と芸達者だ。スケルトン仲間からもらった大腿骨で殴るだけでなく、スキルで自分の頭がい骨を投げて敵にダメージを与える。もう1つのスキルで投げた頭がい骨の場所まで本体をワープできるため「離れた敵までアタマをぶん投げ、その場所まで急接近する」戦いかたもできるのだ。

アタマを取り替えると別キャラになる楽しさ

それだけなら「デキが良いアクションゲーム」止まりだが、本作がユニークなのは主人公のありかた。スカルは頭がい骨を取り替えると、違うキャラクターになりきれる。

剣士の頭がい骨を取れば剣士に、槍使いなら槍を使いこなせるようになる。人狼のウェアウルフなら素早い動きとひっかき攻撃で敵に流血させたり(時間経過で追加ダメージ)頭蓋骨ごとの固有コンボとスキルがあり、操作感覚もまったく別ものになる。格闘ゲームにたとえれば、リュウが春麗になったりザンギエフになったりの変幻自在ぶりだ。

頭がい骨を装着すると、体ごと別のキャラクターに変身する。ウェアウルフは動きが素早く、ヒットアンドアウェイにもってこい。

そのどれもが「動かしているだけで楽しい」というのも大きなポイント。大剣をズバンと振り下ろし、動物らしく目にも止まらぬ速さで駆け抜け、力持ちキャラは地面を踏みならしザコならば一撃で木っ端みじんに粉砕する。その1つ1つのキャラパターン作りがとてもていねいで職人技だ。

動かす楽しさは、何度も何度も繰り返し遊ぶローグライクタイプアクションでは必須ともいえること。各ステージは自動生成されてちょっとずつ変化しつつもそう大きく違いはないため、操作キャラがずっと同じだったり、操作に引っかかりを感じたり、動きのパターンが単調であれば10回もやれば飽きてくるはず。

本作は「Dead Cells(デッドセルズ)」(以前の連載を参照のこと)ともコラボしていて、おなじみの主人公になりきれる。アクションや「セル」も再現された徹底ぶり。

参考:【Dead Cells】中毒性激ヤバ、ローグライク×メトロイドヴァニアの傑作アクション 帰ってきたガレリアPCゲーム探訪記

それが、気づけば数時間経っていた!という事態もたびたび。『ドラゴンクエスト』シリーズの作曲を手がけるすぎやまこういち先生は「ゲームの音楽がいちばん長時間聴くだろう。だから、聴き減りのしない曲をつくるんだ」とおっしゃっていたが、こちらは「遊び減り」しないドット芸といえる。

「魔石」システムによる能力の底上げ

ローグライクのキモは、プレイヤー自身のアドリブ力を鍛えることだ。道中で拾ったアイテムで主人公を強化し、手持ちのカードをやりくりしてやっかいな敵を倒す。本作ではプレイの行方を大きく左右するのは頭がい骨で、これは2つまでストック可能であり、ゲーム中では何度も切り替えることができる。ヒキが悪いときは悪く、この手札でやってられるか!という局面もあるが、それを切り抜ければ感動もひとしお。

ビジュアル系?のロッカー頭は電撃を出したり、バンド仲間を召喚したりと派手な演出が楽しい。でも接近戦はそう得意じゃないので、別の頭を用意しておきたい。

しかし本作はかなり難しく、初期状態ではどうしても先に進めない、すぐやられてしまうこともあるはず。それをどうにか出来るのが「魔石」システムだ。敵を倒すと拾える魔石を集めて魔王城にいる魔女のところに持って行くと、主人公の能力を底上げができる。基本攻撃力をアップさせたり体力を増やしたり、ゲームオーバーになっても失われないステータスアップが身につけられる。

とはいえ難点は、それぞれの強化要素の説明が理解しにくいこと。物理攻撃力や魔法攻撃力、最大HPは常識の範ちゅうで、スキルのクールタイム(再使用までにかかる時間)はゲーム慣れしていれば分かるとは言え、「交代クールタイム」って?「精髄」って何?というぐあいに、本作だけの専門用語に戸惑ってしまう。

ため込んだ魔石を使って各特性のレベルを上げて、スカルの基礎能力を強化していく。しかし日本語ローカライズがそう上手くないせいか、説明が分かりづらい……。

ああ交代=頭がい骨の取り替えか、精髄はサブスキル……と意味が飲み込めるのはゲームを何時間もやり込んでからで、気づけば効果の薄いパラメータに魔石をムダ遣いしていたりする。今からプレイする人は、「先祖の意志」(精髄クールタイムの短縮。でも精髄はあまり手に入らない)は後回しにしましょうね。

アーリーアクセスゆえのバランスのキツさ

最初のうちはスカルを操作して動かしているだけで楽しい。頭がい骨を取り替えるたびにモーションもスキルも総入れ替えとなり、新たなキャラに出会えるのだから。主人公も弱くはなく、一対多のバトルでザコをなぎ倒す気持ちよさもある。しかし何度もやり直すうちに、このゲームやたら死にやすくないか?と悟るはず。

そう、本作は「自分で回復」できる手段がほとんどない(一部のスキルにあるが)。敵がたまたまドロップする回復アイテムを拾うか、魔物のお店で買うかのどちらかだ。しかもショップには全回復はないわ、体力がゴッソリ減ったままボス戦に放り込まれるわの過酷さ。

各ステージクリア後には、ルート分岐することもあり。頭がい骨を取るか、お金を稼ぐか、アイテムを取るか選べるのだ

そしてローグライクの常として、ステージが毎回変わる。その変わり方がけっこうエゲつなく、序盤から兵士の大軍が襲ってくるぐらいはマシな方だ。足場にトゲを生やしてくる敵が上中下3段の足場にいて、どれか1匹と戦ってる間も残りの2匹がトゲを送り込んでくる。おまけに地形もトラップだらけで、まだ1面なのにHPが残り半分を切ってることも珍しくない。

人間の手から逃れた魔物達が住むたまり場では、体力回復や買い物ができる。ときには頭がい骨をもらえることもあり、しっかり準備を整えておきたい。

おまけに頭がい骨のスペックも凄まじく格差があり、当たり外れがデカい。「ライダー」を拾えれば大当たりで、燃えるガイコツがバイクに乗って敵をまとめて轢けるわ、タイマン勝負でも強いわ。しかし「ガーゴイル」なら少し高くジャンプできるぐらいで、スキルは「数秒間だけ無敵になる、ただし攻撃できず」と役立たずにもほどがある(スキルも毎回変わるようだが)。

中ボスは冒険家パーティご一行様。勇者見習いや僧侶、忍者など毎回変わるが、こちらも強さのバラツキが激しい。空を飛ぶ魔法使い(?)は攻撃を当てることさえ難しいが、スキが大きな戦士なら楽勝というぐあい。易しめのステージに恵まれ、強い頭がい骨を引き当て、中ボスはなるべく弱い相手であれば……と何から何までが運ゲーすぎる。

どこかのRPGで見た気のする冒険者が、どこかで見たような技を使ってくる。意外と厄介なのが僧侶で、体力を削りきった……と思ったら、スキルで大回復。ずるい!

本作はアーリーアクセス、つまり「まだ開発途中でプレイヤーの声を以降の開発に活かす、引き換えに少しお安く提供」ということでゲームバランスの練り込みが甘いのも多少はしかたない。でも、今年2月から半年以上も経ってるんですよ。

お約束の巨大ボスもあり。バトル前に体力回復ができない上に、ゴリ押しが利かないのでかなりキツい。きっちりパターンを見きわめてから攻略したいところ。

そういう愚痴を言いながらも、ついつい数十時間も遊んでしまう魅力があったのは確かなこと。アップデートは小まめに実施されているので、正規版になる頃には運に頼らずクリアできるゲームに生まれ変わっている……かもしれない。

steam公式サイト

Steam:Skul: The Hero Slayer

Reported by 多根 清史
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