【Slay the Spire】ローグライク×デッキ構築ゲームの新境地 帰ってきたガレリアPCゲーム探訪記

公開日:2020/4/10
【Slay the Spire】ローグライク×デッキ構築ゲームの新境地


デッキ構築型カードゲーム×ローグライクの悪魔合体

インディゲームにデッキ構築型カードゲームの名作は事欠かないし、ローグライクのゲームも名作はたくさんある。でも、その2つを掛け合わせたら……という贅沢な発想、一粒で二度楽しめる(ないし別の楽しみが誕生している)のが、今回ご紹介する「Slay the Spire」だ。

一応2つのカテゴリを説明しておくと、デッキ構築型カードゲームとは「自分でカードを集め、デッキ(カードのセット)を用意しておくゲーム」だ。

この種のゲームでは、ふつうのRPGでいう攻撃や防御、特殊行動などはすべてカードを出して行う。そしてトランプや花札といった一般のカードゲームとの違いは、用意された札を使うのではなく「自分でカードを集めた分だけが使える」ということだ。また、いつでも自由にカードが使えるわけではなく、そのつど山札から引いた分だけが使える。そこに運不運が働くし、なるべく揺れ幅を抑えるよう効率のいいデッキを「構築」することも、ゲーマーの腕前に含まれている。

またローグライクとは、わかりやすい例を引けば「風来のシレン」シリーズのようなゲームのことだ。自分が1回行動すれば相手も1回行動する、かわるがわる動くターン制システムを採用している。次の一手までに時間制限はなく、いつまでもジックリ考えられる。

さらには迷宮を突き進むうちに様々なものを手に入れ、自分のキャラクターを強化したり、様々な攻撃あるいは特殊効果のあるアイテムを持てるようになる。そうしてかき集めたアイテムで最善の手を打ったり、はたまた最悪の手を打って後悔したり、毎回の「選択」がかなりの重みを持つ。それを1つずつ積み重ねてゴールを目指すジャンルである。

「Slay the Spire」は、そんなデッキ構築型×ローグライクを掛け合わせたものだ。ローグライクで活用するアイテムや武器がカード、まさに「手札」となり、それを集めて「デッキ」を組んでいく。戦闘はデッキからカードを引いてくり出すカードゲームそのもの、しかしそこで使えるのは初めに配られるスターターデッキ+道中で運まかせで手に入るカードだけ。つまりデッキ構築そのものに、ローグライクの「出たとこ勝負」を組み込んでいるわけだ。

ひたすら迷宮を突き進み、カードデッキを強くする

ゲームを始めるに当たっては、4つのクラス(職業)の中から1つを選ぶ。最初はアイアンクラッド(後述)のみだが、周回プレイを重ねて条件を満たすにしたがい、1つずつ解放されて使用可能となっていく。

なかなかクセの強いグラフィックだが、慣れてくると愛着を覚える。 イベントでは独特の言い回しもあいまって、まるで懐かしのゲームブックのようだ。
 なかなかクセの強いグラフィックだが、慣れてくると愛着を覚える。イベントでは独特の言い回しもあいまって、まるで懐かしのゲームブックのようだ。

最初にスターターキットのカードデッキ+クラスごとに固定のレリックが与えられる。レリックとは使うまでもなく効力を発するアイテムで、RPGでいえば装備に当たる。たとえばアイアンクラッドの初期レリック「バーニングブラッド」は戦闘終了時にHP6を回復してくれるもの。とはいえありがたい効果だけでなくマイナス効果もあるため、一概に「取ればいい」わけではない。

そしてマップは全50階層、レベル1~3の3つのマップに分かれている。それぞれのマップは一番下からスタートし、次々と各階層を突破して、一番上にいるボスを倒せばそのレベルはクリアとなって次のレベルへと進める。各レベルにはいくつかのルートがあるほか、分かれ道もあり、どちらに進んでもかまわない。イメージとしては「サイコロを振らないすごろく」だ。

最初にいくつかある内のルートを1つ選び、途中で分岐をまた選ぶ。 モンスターとの戦闘を避けすぎると、手札が充実しない落とし穴がある。
最初にいくつかある内のルートを1つ選び、途中で分岐をまた選ぶ。モンスターとの戦闘を避けすぎると、手札が充実しない落とし穴がある。

しかし、この「前に進むだけ」というシステムが、このゲームを歯ごたえあるものにしている。一度通過した階層に後戻りもできず、戦闘でも逃げることは許されない。しかもHPの回復手段は乏しく、ときにはボロボロになった状態で次の戦闘やボスに挑まなくてはならない。なので「できるだけダメージをもらうのを避けて、体力を温存する」のが大まかな攻略のコツだ。

それぞれの各階層は「開けて見るまで不明」ではなく、ある程度は中味が分かるようイラストで表示されている。まず角なしのモンスター、これは通常の怪物との戦闘となる。次に角ありモンスターは、強いエリートとの戦い。

そしてたき火は休憩で、最大HPの30%を回復か鍛冶(カードを1枚アップグレード)かを選ぶ。宝箱ではレリックやゴールド(お金)を入手し、お店では商人からカードやレリック、ポーション(体力の回復や1回限りの特殊効果がある)購入のほか、有料でカードの削除もできる。残り1つの「?」はモンスターや商店、宝箱に加えてイベントが発生し、色々なことが起こったりする。

体力の温存を最優先するなら戦闘を避ければよさそうだが、モンスターは倒すとカードやゴールド(ときにポーション)を落とすため、「ただ長く生きる」のではなく最終的なクリアを目指すなら、イベントよりも積極的に選んでいくべき。エリートはさらにレリックまで落とす、しかし序盤の弱い状態ではきついため、残り体力と手持ちのカードに相談して……と時にはリスク覚悟で踏み込むことも必要だ。

商人のコマに止まると、お金を支払って各種のカードが買える。最初は「カード除去サービス」が有料である意味が分からないが、実は不要なカード整理は最重要だ

ここまで語ったなかで、商人のところで触れた「カードの削除」の意味がよく分からないかもしれない。でも、これが実は最も重要なことだ。手持ちのカードは基本的に増えていくばかりで、戦闘中に使って捨て札にしても戦闘後にはまたデッキに戻される。不要なカードばかり増えると、役に立つ強力なカードがなかなか引けないことになる。それを防ぐためにデッキを整理する手段が、「カードを削除する」しかないのである。

次の敵の行動は宣言、しかし対応できるカードがない悔しさ

さて、実際のゲームプレイ。初期状態で選べるクラスはアイアンクラッドしか選択の余地がないのだが、この職業はけっこうキツい。

最初に使用できるクラスは、戦士タイプの「アイアンクラッド」のみ。 しかしカードの引きによる運要素が強すぎるので、あまり使わないかも。
最初に使用できるクラスは、戦士タイプの「アイアンクラッド」のみ。しかしカードの引きによる運要素が強すぎるので、あまり使わないかも。

物理で殴り、ガードするという絵に描いたような「戦士」キャラだが、さっきも言ったように本作は回復手段がとても乏しいため、ジリ貧になりやすい。速攻で勝負を決めようにも一発で敵を仕留める必殺技的なカードも多いとは言えず、地道にいいカードをそろえる運に恵まれてないと辛いのだ。そうは言っても「殴ってガード」は分かりやすく、基本システムを覚える練習として割り切ればいいだろう。

そのアイアンクラッドを一度でもプレイすれば、霧の国から来た殺し屋の「サイレント」が使用可能となる。初期レリックがカードが2枚追加で引ける「ヘビの指輪」のため手札は豊富にあるが、ナイフでちくちくと敵を刺し、毒を与えて追加ダメージを与え……と手数が求められる。ほか「ディフェクト」は自我に目覚めた戦闘用オートマトンで、補助攻撃オプションの「オーブ」から雷やビームを撃ったりとロボットアニメ風の立ち回りが楽しめる。そして最後の「ウォッチャー」は……というクラス性能は、ご自分の目で確かめてもらいたい。

ディフェクトは周囲に某ロボットアニメのビットのような「オーブ」を従え、テクニカルな戦闘を繰り広げる。 攻撃力は豊富だが、ブロックを疎かにするとやはり脆い。ディフェクトは周囲に某ロボットアニメのビットのような「オーブ」を従え、テクニカルな戦闘を繰り広げる。攻撃力は豊富だが、ブロックを疎かにするとやはり脆い。

どのクラスも、戦闘ではターンの最初にデッキからカード5枚を引き、3エナジーをもらう。カードのコスト(左上に書かれている数字)分エナジーを消費して使い、エナジーが0になるか使うカードがなければ敵のターンとなる。そうしたバトルの進め方は一般のカードゲームと変わりないが、凝った属性の概念もなく[攻撃の合計]-[防御の合計]のダメージ計算はとても分かりやすい。

そしてなんと、敵が次にどう行動するかまでが、目に見えるかたちで宣言されている。[この敵が予定しているのはアタックによる18ダメージ]や筋力(基本攻撃力)を削ってくるなど丸わかりだ。が、カードゲームのため、たとえ次のターンで無防備だと死ぬと知っていながら、防御カードがないため何もできない……といった悔しさがたまらない。

敵が次にどういう攻撃/行動をするかも前もって宣言されているので、ちゃんと確認してからカードを選ぶべし。 しかし、カードの引きが悪いときはどうしようもない。
敵が次にどういう攻撃/行動をするかも前もって宣言されているので、ちゃんと確認してからカードを選ぶべし。しかし、カードの引きが悪いときはどうしようもない。

そんなプレイを周回するごとに、前回はなかった新たなカードが解放され、選択肢もどんどん増えていく。いわばカードデッキが「成長」していくため、次こそは……とヤメ時が見つからない、恐るべき底なし沼のようなゲームなのである。 ゲームオーバーになると、新たなカードがアンロックされる。 このゲームにおいて成長するものはキャラクターよりもカードデッキなのだ。
ゲームオーバーになると、新たなカードがアンロックされる。このゲームにおいて成長するものはキャラクターよりもカードデッキなのだ。

 Reported by 多根 清史

Steam公式サイト 
Steam:Slay the Spire

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