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『Baba is You』ルールすら巻き込んで破壊&創造!? 名作パズルゲームをレビュー!

公開日:2021/2/25

概要

 『Baba Is You』はフィンランドのインディーゲーム開発者Arvi Teikari氏が開発したパズルゲーム。一見すると、キャラクターを操作し障害物を移動させながらゴールを目指す、いわゆる「倉庫番」と呼ばれるゲームの亜種に思われた。しかし、そこにはArvi Teikari氏の素晴らしいアイデアにより無限の可能性が広がっていた。今回は、そんな衝撃的なパズルゲームを紹介しよう。

 

言語設定

 本作は様々な言語に対応している。もちろん、日本語にも対応しているので安心。

 

基本的な操作とルールについて

 画像は最初のチュートリアルステージから。本作の操作方法と基本的なルールはいたってシンプル。方向キーでキャラクターを操作してゴールに辿り着けばステージクリア、それだけだ。道中にある岩などの障害物はキャラクターで押して動かすことができる。

 このようなゲームは「倉庫番」ジャンルと呼ばれているが、それらによくある「何歩以内にクリア」のような制限も特にない。ステージをクリアすれば次のステージに進むことができる。

 

続いてステージ1を紹介する。

 

Baba is Youの意味

 ステージ1はこのようになっている。先程とは違い、白い動物「Baba」の四方は壁で囲まれている。一見すると、ゴールらしき旗へ辿り着く方法は見当たらない。このステージの解法はこうだ。

 「Stop」を押して壁をすり抜ける。筆者もはじめは目が点になった。何が起きたかを説明する。本作は「ルール」もステージ内のオブジェクトの一つであり、キャラクターにより動かすことができる。ルールオブジェクトは単体では効果がなく、横一列か縦一列に並んで文章が成立している間のみ文章通りのルールがゲームに適用される。

 

 先の画像を例に取ると、「Wall」「is」「Stop」は直訳すると「壁は止まっている」となり、このルールが適用されている間は通り抜けることはできない。しかし、「Stop」を左に動かすと文章が崩壊するため、壁は何の効果も持たなくなり通過可能となる。

 

 同様に、チュートリアルステージではゴールを示していた画面上部にある黄色い旗も、この時点では何の効果も持たない。ゴールであることを示す文章を成立させる必要がある。

 「Flag」「is」「Win」、「旗は勝利である」。このルールを成立させれば、旗は光り輝きだし、そこにキャラクターが辿り着くとステージクリアとなる。

 

 「~ is Stop」は通過不能、「~ is Flag」はゴール。では、左下の「Baba is You」、「Babaは貴方です」とはどういう意味か。「Baba」は白いウサギのような動物を指し、「~ is You」は操作可能キャラクターであることを示す。つまり、「Baba is You」とは操作キャラクターがBabaであることを示している。そして、本作は「Baba is You」というタイトルだが、操作キャラクターが「Baba」に限定されているなんてことはない。この文章もあくまでルールの一つだ。つまり、どういうことかというと……。

 右の「Wall is Stop」から「Wall」を拝借して、「Baba」と入れ替え「Wall is You」としてみた。すると、どうなるか。

 壁が操作キャラクターとなり、自由自在に動かすことができる。「Baba」はもう「is You」ではないので操作キャラクターでもなんでもなく、壁の周りに茂る雑草と何も変わらない。本作は文字通り、なんでもありだ。なお、今回は「Wall」で「Baba」を押し出したので代わりに壁が操作可能となったが、仮に「Baba」のみを押し出して「Baba is You」不成立にさせてしまうと……。

 操作キャラクターが誰もいなくなるため進行不能となり、やり直しとなる。常に必ず一つは「○○ is You」の文章が成立していなければならない。

 

本作のルール

 改めて本作のルールを説明する。

 

①「You」を操作して「Win」に辿り着けばステージクリア。

②ルールはステージ中に配置されており、「○○」「is」「△△」の文章が成立している間のみゲームルールとして適用される。

③ルールもオブジェクトの一つであり「You」で押すことができる。

④「○○ is You」が不成立となった場合、その時点で操作不可能となりゲームオーバー。

 改めてチュートリアルステージの画像に戻ると、確かに四方にルールが記載されていることが分かる。岩が押せたのは、「Rock is Push」のルールが適用されていたからであり、このルールが成立していない限りオブジェクトを押すことはできない。ルールが成立していなくても押すことができるオブジェクトは「ルール」のみであり、言い換えれば暗黙のルールとして「Rule is Push」が適用されていると言える。

 

 なお、チュートリアルステージはYouであるBabaの周りをStopのWallで囲まれており、その外側に配置されているルール達に触れることは不可能である。Stopの外側に配置されているルールは、変更不可能と考えれば分かりやすい。

 

 「Baba」や「Wall」といったオブジェクトと、「You」や「Stop」といった状態を示すパーツはステージを進めるごとに少しずつ増加していく。

 ぐつぐつと煮えたぎる「Lava」(溶岩)に、熱を持つことを示す「Hot」。「Key」と「Door」に、「Open」と「Shut」。鍵でドアを開ける、とついつい感覚的に理解をしてしまいそうになるが、実際は「Open」で「Shut」を開けることができるので、ルールを変えれば何でも鍵になるし、なんでもドアになる。プレイしていると頭がこんがらがってくるのがこのゲームの面白いところだ。

 

本作のオススメポイント

 本作のオススメポイントは、先入観に囚われず創造する楽しさだ。倉庫番というジャンルにルール変更というスパイスが一つまみ追加されたことで、本作は非常に奥深いゲームとなっている。スパイスのクセが強い一方、ゲームのベース部分は非常にシンプルな点も評価できる。登場するオブジェクトは分かりやすく色分けされており、「Stop」「Push」といった属性も、ゲームではありふれたものなので感覚的に理解しやすい。そういった配慮もあり、プレイヤーはゲームの核心部分である、どうルールを変更すればクリアできるかに集中しやすく没入感を生みだしている。

 溶岩が邪魔なら押しちゃえばいいじゃない。溶岩といえばゲームでは触れたらダメージや即ゲームオーバーになりがちなオブジェクトだが、ルールを変更することで自分の中のゲームの常識がどんどん崩れ去っていく。もしかしたら、これまでゲームをたくさんプレイしてきた人のほうが先入観についつい引きずられて苦労するかもしれない。

 

 本作は一度行き詰まるとその場ではどうしても解けないことが多い。しかし、一晩ぐっすり寝て改めてステージを見直すと一瞬で解法が見えたりもする。かくいう筆者も少しずつ進めており、まだまだゴールは見えてこない。毎日10分「Baba is You」、日課のパズルゲームとして本作はオススメだ。

 

steam公式サイト

Steam:Baba Is You

 

Arvi Teikari氏のHP(リンク先英語):

Arvi Teikari

 

Reported by 田中 拳
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