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【GRIS】少女が世界に色を取り戻す幻想的なアクションパズルゲームをレビュー!

公開日:2021/1/8

概要

 『GRIS』はスペインのインディーゲームスタジオNomada Studioが開発したアクションゲーム。筆者はSteamストアページのPVを見て、そのまま勢いで購入。クリアまでのプレイ時間は約5時間ほど。独特の雰囲気で描かれる、短いながらも色濃い幻想体験を紹介していこう。

 

ストーリー

 本作のストーリーは、女神像の掌の上で歌う謎の少女Grisが突然声を失うシーンから始まる。歌えなくなったGrisは女神像の掌から滑り落ちてしまい、自身の精神世界に迷い込んでしまう。

 

 Grisの世界からは色が失われており、最初は白黒の世界からスタートする。物語の進行と共に、世界には少しずつ色が取り戻されていき、少女Gris自身も成長していく、という流れだ。なお、GRISではタイトル画面や最低限の操作説明以外に、ゲーム中に文字、文章は全く登場しない。そのため、このストーリー概要については、Steamストアページの説明と、ゲーム中のムービーやシーンから筆者が推測したものである。

 

スタート画面と操作説明

 タイトル画面は非常にシンプル。ゲームデータの進行は自動でセーブされ、前回ゲーム終了した地点から再開することができる。

 操作設定画面。基本操作は左右移動+ジャンプとこれまたシンプル。ゲームの進行に応じて少しずつ特殊能力を習得していくが、使用するボタンはジャンプ含めて最大3つなので、アクションゲーム初心者でも問題なく楽しめるだろう。画像はゲーム開始直後のため、まだジャンプも習得していない。

 

ゲームシステムについて

 GRISのゲームシステムはアクションゲームジャンルの中では最も単純な部類だ。ライフもなければ、落とし穴や敵との接触によるゲームオーバーも存在しない。

 そのため、画面上にキャラとステージ以外の情報を表示する必要がなく、世界観への没入に拍車を掛けている。ジャンプで段差や穴を飛び越えるシーンはあるが、失敗しても特にペナルティがあるわけでもないため、何度でもトライすることができ、アクションゲームとしての難易度は非常に低いと言っていいだろう。

 基本的なゲームの流れとしては以下の通り。少女Grisを操作して横スクロールのステージを進んでいき、エリア内に点在する謎解きやギミックをクリアするたびに星を入手することができる。

 エリア内で星を集めていくと、星が画像のように架け橋となって次のエリアに進むことができたり、もしくは祭壇のような場所に星を捧げるとGrisが新たな能力を習得することで移動可能な箇所が少しずつ増えていく、という仕組みだ。

 ゲームが進行していくごとに、少しずつ世界に色が取り戻されていき、ギミックの難易度は少しずつ上がっていく。

 習得できるアクションも少し個性的で、画像は「重くなる」というアクション。Grisの纏うローブが四角い重石となり、ヒビの入った床を破壊したり、強風で飛ばされないようになる。具体的な使用方法が分かりやすく文字で示されることはなく、「重くなる」からプレイヤーが連想するアクションを試行錯誤することでギミックを突破していくことになる。他にもいくつか習得できるアクションはあるが、実際にプレイして見て見てもらいたい。

 

 次に、筆者が印象に残った本作の良い点を挙げる。

 

圧巻されるグラフィックと音楽

 本作の最たる特徴といえば、やはりビジュアル面だろう。水彩画のようなタッチで描かれるアニメーションからゲームが始まったかと思いきや、ユーザーが最初に操作できる画面が次の画像だ。

 筆者は初プレイ時、画面に何も表示されていないことから、てっきりムービーの続きかと勘違いしていた。しかし、30秒ほど腕を組んでモニターを眺めていても、一向にゲームが進行しない。

 もしやと思い試しに右キーを押してみたら、なんと少女Grisが歩き始めたではないか。これには本当に衝撃を受けた。しかも、単に歩くだけではなく、ジャンプやその他の操作も思いのままだ。

 キャラクターだけではなく背景、音楽、効果音や演出も非常に質が高く統一感があり、幻想的な世界への没入感に一役買っている。ゲーム中にキャラクターの台詞などはなく、会話ウィンドウなども全く表示されない。画面にあるのは常にキャラクターと背景だけだ。この、アニメーション映画の主人公を操作できているかのような不思議な体験は実際にプレイしてみないと分からないので、ぜひプレイしていただきたい。

 

気持ちの良い操作感

 本作、キャラクターの動きに躍動感があり、ジャンプなどもレスポンスが良いため、単純なアクションゲームとして見ても操作していてストレスがほとんどない点も評価できる。

 筆者は、アクションに動きの反動があったり、ボタンを押してから準備モーションがあったりといった、いわゆる"リアルな"動きを苦手とするプレイヤーのため、軽快でサクサク動かせる本作は非常に快適にプレイすることができた。移動中についついジャンプしたくなるゲームはお気に入りだ。

 

質の高い謎解きギミック

 本作は、エリアの各地に配置された謎解きギミックをクリアすることでゲームが進行していく作りだが、この謎解きギミックも筆者にとってちょうど良いと感じる難易度だった。ここで言うところの「ちょうどいい」とはあっさり突破できないものの、少し試行錯誤すれば正解に辿り着ける、というレベルを指す。

 これは、ゲーム中のギミックの一つだが、岩とそこに結ばれている気球をうまく活用して突破していくエリアである。初見だとなんのこっちゃとなるのだが、岩と気球が浮いていることから、ちょうど良い重さで釣り合っていると推測できるため、前述した「重くなる」アクションで釣り合いの均衡を崩してやることで岩と気球が下に動いていく、という作りだ。何度も触れているが、このゲームは画面に文字情報がほとんど表示されないため、ほぼノーヒントでギミックと向き合うことになるのだが、Grisの能力も含めてどれも感覚的に分かりやすい作りになっており、ゲームあるある文脈への理解が乏しいとしても、注意深く観察して推理と試行錯誤を行えば、クリアできる作りになっている。

 この、適度に難しいが考えればクリアできる、という絶妙な難易度が、ストレスとその解放による快感に繋がっており、ゲームの体験をより色鮮やかにしている。後半に行くに連れ、ギミックの難易度は少しずつ上っていくが、どれも少しは手こずるものの、どん詰まりする前にクリアできる、といったちょうどいい塩梅だったため、非常に気持ちよくプレイすることができた。

 ただ、没入感のある謎解きというとは、裏返せばお助けなし、ノーヒントという意味でもあり、一度ドン詰まりしてしまった際に救済手段がないとも言える。困ったらお助けキャラがヒントを教えてくれる、というシステムはアクションゲームによくあるが、GRISのような画面情報をできるだけ排除することでビジュアル演出を魅せるタイプのゲームでは採用しづらいシステムだ。筆者は運良く謎解きに詰まることはなかったが、後述する一本道かつエリア制限の特性上、どこかで詰まってしまうと進行困難となってしまう恐れもある。スムーズにクリアできるかそうでないかでゲームから得られる体験の質が大きく変化しそうでもあり、ギミックの難易度調整やユーザー救済をどのようなアプローチで行うかは、ビジュアル重視のアクションゲームの今後の課題かもしれない。

 

世界に没入させるための細かい仕掛け

 個人的によく出来ていると思ったもう一つの点として、エリアの移動制限を挙げておきたい。本作、ギミックを解きながら少しずつ進めていくのだが、少し進むたびに前のエリアには戻れないような作りになっている。つまり、各ギミックごとに行動できる範囲が非常に限定的となるのだ。

 移動できるエリアが限定的になることで、プレイヤーは「もしかして前のエリアに戻らないとクリアできないのか?」といった余計な考えを持つ必要がなく、目の前の謎解きに集中することができる。もちろん、どこにでもいつでもいけるオープンワールドや広いダンジョンを自由に探索するアクションにもそれぞれジャンルの良さがあるが、本作においては一本道のパズルアクション要素を強調するほうがゲームの世界観へより没入することができるため、エリア制限はゲーム内容に適した素晴らしい気配りだと感じた。

 

まとめ

 ボリュームこそ少ないが、得られる体験は非常に高密度かつ独特で強く印象に残る名作。雰囲気重視のゲームや質の高いパズルが好きなプレイヤーにはオススメの一作だ。

 

Steam公式サイト

Steam:GRIS

 

Nomada Studio(リンク先英語):

Home - Nomada Studio

 

Reported by 田中 拳
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