パソコン自作のススメ「ドライバー1本で始めよう!」-その6「ついに組み立て!」 Text by 高橋敏也

前回「ついに組み立てが始まります!」などと書きましたが、実際には始まりませんでした、ごめんなさい。本当は組み立てに入りたかったのですが、組み立て前の注意事項などを書いていたら、思いのほか長くなってしまったのというが実情です。

が、しかし! 能書きは終わりです! ついに組み立てが始まります! そんな訳で前置きはこれぐらいにして、待望の組み立てに入りましょう。

■マザーボード周りのパーツ

前回も書きましたが、自作パソコンの組み立て、その順序にルールはありません。私のようにマザーボード周りの組み立てを行ってから、本体ケース周りの組み立てに入る場合もあれば、逆に行う場合もあります。自分のやりやすい順番で構いませんが、くれぐれも落ち着いて確実に組み立てて行きましょう。

そんな訳でまずは、マザーボードを中心としたパーツの組み立てを行います。手元に用意するパーツはマザーボード、CPU、メモリ、そしてCPUクーラーです。それぞれの箱を開封して付属品がしっかり揃っているかどうかを確認してください。

t-2574

ASRockというメーカーのH97 Pro4というマザーボードです。マザーボードとハードディスクを接続するケーブルなどが付属しています
ASRockというメーカーの「H97 Pro4」というマザーボードです。マザーボードとハードディスクを接続するケーブルなどが付属しています

マザーボードは静電気防止パックに入っていますが、取り出して置いておきましょう。パックを広げて、その上に置いておくといいでしょう。また、付属しているマニュアルに目を通しておくことをお薦めします。

今回、CPUはIntelの「Core i5-4460」を使用しました。コードネームがHaswell Refreshと呼ばれるこのCore i5-4460、定格動作が3.2GHz、Turbo Boost時が3.4GHzというスピードの4コアCPUです。HD4600と呼ばれるグラフィック機能を内蔵していますので、対応するマザーボードを使えば、ビデオカード無しで画面出力が可能です。ですがここではビデオカードを使用します。

また、Core i5-4460にはCPUクーラーが付属しています。CPUに標準付属するCPUクーラーを、一般的には「純正CPUクーラー」と呼びますが、ここではより性能の高い市販品を使用しました。ですが純正CPUクーラーは捨てないで、ちゃんと保管しておいてください。何かあった時には、その純正CPUクーラーがスペアパーツとして役だってくれるからです。

t-2589

Core i5-4460はコストパフォーマンスに優れたCPUという評価が一般的です
Core i5-4460はコストパフォーマンスに優れたCPUという評価が一般的です

t-2736

CPUをよく見ると縁に切り欠きがあることが分かります。この切り欠きをCPUソケットに合わせます。裏側には接点がズラリと並んでいます。以前、この接点はピンでした。AMDの場合はCPU側にピンがあります
CPUをよく見ると縁に切り欠きがあることが分かります。この切り欠きをCPUソケットに合わせます。裏側には接点がズラリと並んでいます。以前、この接点はピンでした。AMDの場合はCPU側にピンがあります

CPUクーラーはDEEP COOLという会社の、ICE BLADE 100という製品を使います。純正CPUクーラーと比較するとサイズも大きく、電動ファンの取り付け方法も異なることが分かります。放熱能力が高く、静かなことが市販CPUクーラーの特長ですが、純正CPUクーラーより大きくかさばる場合が多いようです。このため特に大きな市販CPUクーラーを使う場合は、本体ケースに収まるかどうか(主に高さ)、メモリなどと干渉しないかどうかを事前にチェックすることをお薦めします。

t-2579

DEEP COOLのICE BLADE 100。純正CPUクーラーよりもパフォーマンスが高く、静かなのが特長。市販CPUクーラーはそれぞれ、取り付け方が異なるのでマニュアルをしっかり見てください
DEEP COOLのICE BLADE 100。純正CPUクーラーよりもパフォーマンスが高く、静かなのが特長。市販CPUクーラーはそれぞれ、取り付け方が異なるのでマニュアルをしっかり見てください

左が純正CPUクーラー、右がICE BLADE 100。大きさや電動ファンなどがまったく異なります
左が純正CPUクーラー、右がICE BLADE 100。大きさや電動ファンなどがまったく異なります

メモリは4Gバイトのモジュールが2本セットになった、ADATA社のDDR3-1600という規格のものを用意しました。DDR3-1600はPC3-12800とも呼ばれます。Windows 8.1の場合、メモリを8Gバイトも搭載すれば、充分快適に使用することができます。ではなぜ8Gバイトモジュール1枚ではなく、4Gバイトの2枚セットを選んだのか? そう、メモリをデュアルチャンネルで使いたいからです。今回使用するマザーボード(チップセット)とCPUは、メモリのデュアルチャンネルに対応しています。このため8Gバイト1枚ではなく、2枚セットにしたのです。もちろん予算に余裕があるのであれば、8Gバイト2枚のデュアルチャンネル16Gバイトでも構いません。

t-2563

デュアルチャンネル用に2枚セットのメモリを買うといいでしょう。なお、メモリ接点部分(ゴールドフィンガー)は手で触らないようにしてください。汚れがつくのを防ぐためと、静電気によるトラブルを防止するためです
デュアルチャンネル用に2枚セットのメモリを買うといいでしょう。なお、メモリ接点部分(ゴールドフィンガー)は手で触らないようにしてください。汚れがつくのを防ぐためと、静電気によるトラブルを防止するためです

さて、これでマザーボード周りのパーツは揃いました。足りない物はないですね? では組み立てを行いましょう。ちなみに「マザーボード周りの組み立て」というより、「マザーボードへの取り付け」と表現した方が、より作業イメージに近いと思います。

ズラリと並んだパーツたち
ズラリと並んだパーツたち

■CPUの取り付け

さあ、さあさあ! ついに本格的な作業の始まりです! パーツは揃っていますか? 作業前に机やラックの金属部分に手を触れて、静電気を逃がしましたか? 各パーツのマニュアルには、一通り目を通しましたか? いいでしょう、では作業に入ります。

まずはマザーボードにCPUを取り付けましょう。個人的な意見ではありますが、CPUはマザーボードと合体して、初めてコンピューターと呼ばれる存在になると思っています。なので作業自体は簡単なものですが、ある意味で重要な儀式ではないかと私は常々思っているのです。

マザーボードのCPUソケットを確認してください。脇にレバーがあり、CPUソケットにはカバーが取り付けられているはずです。このカバーの下にはピンがズラリと並んでいるのです。ちなみにCore i5-4460を取り付けるCPUソケットは、LGA1150と呼ばれるタイプです。当たり前の話ですが、それぞれのCPUには対応するCPUソケットがあるので、必ず適合するマザーボードを選んでください(実際、パーツを揃えたのはいいけど、CPUソケットが合っていなかったという話、本当にあるんです)。

さて、CPUソケット横にあるレバーを見てください。このレバーでCPUソケットの、CPUを押さえるフレームが固定されています。レバーを少し下に押し下げて横に動かし、引っかけてある部分から外してください。

CPUソケット横のレバーに注目
CPUソケット横のレバーに注目

押し下げて横に動かし、引っかけてある部分から外す
押し下げて横に動かし、引っかけてある部分から外す

レバーを起こすと……
レバーを起こすと……

CPUをCPUソケットに押しつけるフレームを持ち上げることができます
CPUをCPUソケットに押しつけるフレームを持ち上げることができます

引っかけてある部分から外すと、レバーを引き上げることができます。そしてレバーを引き上げると、CPUをCPUソケットに押しつけ固定するためのフレームも持ち上げることができるようになります。フレームをカバーがついたまま、引き上げて(開けて)ください。これでCPU取り付けの準備が完了です。

さて、ここで疑問に思った人もいらっしゃるかと。そう、私はあえてCPUソケットに取り付けてある、樹脂製のカバーを取り外しませんでした。実はこれ、ちょっとした組み立てのコツなのです。本来は樹脂製のカバーを取り外して作業するのですが、そのカバーの下にはCPUとマザーボードを接続するためのピンがびっしりと生えています。もちろんこのピンのうち、1本でも曲げてしまうと自作パソコンは起動しません。また修理も、よほど慣れていないと困難です(もし曲げてしまったら組み立てを中止し、自分で直そうとせず、ショップやメーカーに相談してください)。

そこでCPUを取り付ける直前までカバーを残し、作業する裏技がこれなのです。細かいことは後ほど説明します。次にCPUの両脇を持って(接点部分に触れないようにして)、縁の切り欠きとCPUソケットを合わせて、そっと置いてください。切り欠きを合わせて「そっと置く」のがコツです。CPUの角でピンを曲げないように、くれぐれも注意してください。

CPUを置いたら、フレームを下げてCPUに押しつけてください。この段階、あるいは次の段階で、フレームに取り付けられていたカバーが外れると思います。要するにCPUに押し上げられて、カバーが外れる訳です。こうすることでギリギリまでCPUソケットのピンを守ってやろうということなのです。ちなみにCPUソケットによっては、この方法が使えませんので注意してください。もし自信が無いのであれば、普通にカバーを取り外してから作業していただいて結構です。

レバーを押し下げ、もともとあった場所に引っかければ作業は完了です(カバーは外れましたよね?)。なお、フレームの切り欠きが、きちんとマザーボード側の金具に引っかかっていることを確認してください。

開いたCPUソケットに対して、切り欠きを合わせてCPUをそっと置きます。「置く」感覚です
開いたCPUソケットに対して、切り欠きを合わせてCPUをそっと置きます。「置く」感覚です

CPU側の切り欠きと、CPUソケットがピッタリ合っています
CPU側の切り欠きと、CPUソケットがピッタリ合っています

レバーを元に戻す途中でカバーがCPUに当たり、外れます。カバーはマザーボードの箱と一緒に保管しておきましょう
レバーを元に戻す途中でカバーがCPUに当たり、外れます。カバーはマザーボードの箱と一緒に保管しておきましょう

元の状態、レバーを引っかけてCPUの取り付けは完了です。フレームの切り欠きがマザーボードの金具(ピン)に引っかかっていることを確認してください
元の状態、レバーを引っかけてCPUの取り付けは完了です。フレームの切り欠きがマザーボードの金具(ピン)に引っかかっていることを確認してください

■CPUクーラーの取り付け

Core i5-4460にはCPUクーラーが標準付属しており、もちろんそれは充分な冷却能力を持っています。ですがここで扱っているのは自作パソコンなのです。ショップでは純正CPUクーラーよりもパフォーマンスが良かったり、動作音が静かなものが販売されていますので、そちらにチャレンジしてみましょう。ということで用意したのがDEEP COOLのICE BLADE 100というモデルです。

ICE BLADE 100はヒートパイプと呼ばれる熱を伝えるパイプを使用し、9センチ角の電動ファンを装備しています。また、純正CPUクーラーの電動ファンがマザーボードと水平になるのに対し、ICE BLADE 100の電動ファンはマザーボードに対して垂直になるレイアウトです。基本的にICE BLADE 100はコストパフォーマンスに優れたCPUクーラーと認識されています。ではさっそく取り付けましょう。

と、その前にICE BLADE 100のマニュアルをよく見てください。ICE BLADE 100は今回使用しているマザーボードのCPUソケット、LGA1150以外のCPUソケットにも対応しています。これを一般的にユニバーサルタイプと呼びますが、さまざまなCPUソケットに対応するため、ステーと呼ばれる取り付け金具が変更できるようになっているのです。なのでLGA1150に対応したステーを、ICE BLADE 100に取り付けなくてはなりません。

また、CPUとCPUクーラーが接触する面には、熱の伝わりを良くするクリーム状の材料を塗ります。一般的には「シリコングリス」、「サーマルグリス」、「熱伝導グリス」などと呼ばれています。これによりCPU表面とCPUクーラーの接触面が密着し、CPUの熱を効率よく伝えることができる訳です。ICE BLADE 100の場合はあらかじめシリコングリスが接触面に塗布されていますので、「最初」に限ってはそのまま取り付けることができます。

なお、いったん取り付けたCPUクーラーを取り外した場合、シリコングリスにムラが生じてしまいます。このためCPU表面、CPUクーラーの接触面からシリコングリスをきれいに拭き取って、改めてシリコングリスを薄く均等に塗布します。こうした需要があるため、シリコングリスは単体販売されています。面白いのはこのシリコングリスにも性能による違い(熱伝導性の違い)があるため、あれこれ使って楽しむことができる点です。「CPUクーラーマニア」がいるように、「シリコングリスマニア」という人々もいるということです。

では取り付けましょう。

先ほども登場した写真ですがもう一度。ICE BLADE 100はユニバーサルタイプなので、CPUソケットに合わせて複数のステーが付属しています
先ほども登場した写真ですがもう一度。ICE BLADE 100はユニバーサルタイプなので、CPUソケットに合わせて複数のステーが付属しています

電動ファンはこのように取り外すこともできます。掃除をする時に便利です
電動ファンはこのように取り外すこともできます。掃除をする時に便利です

あらかじめ薄く均一に塗布されたシリコングリス。一部が乱れているのは、カメラマンさんが誤って触ってしまったためです(涙)
あらかじめ薄く均一に塗布されたシリコングリス。一部が乱れているのは、カメラマンさんが誤って触ってしまったためです(涙)

いったんCPUクーラーを取り外して再度取り付ける際には、市販のシリコングリスを使います。さまざまな種類が市販されています
いったんCPUクーラーを取り外して再度取り付ける際には、市販のシリコングリスを使います。さまざまな種類が市販されています

マニュアルをよく見て、LGA1150に対応したステーをCPUクーラー側に取り付けます。ICE BLADE 100の場合、固定用のピンは純正CPUクーラーとほぼ同じものになっています
マニュアルをよく見て、LGA1150に対応したステーをCPUクーラー側に取り付けます。ICE BLADE 100の場合、固定用のピンは純正CPUクーラーとほぼ同じものになっています

ステーの取り付けが終わった状態
ステーの取り付けが終わった状態

ICE BLADE 100の電動ファン、その側面をよく見てください。フィンの回転方向と、空気の流れる向きが矢印で示されています。これが取り付け時、重要になってきます
ICE BLADE 100の電動ファン、その側面をよく見てください。フィンの回転方向と、空気の流れる向きが矢印で示されています。これが取り付け時、重要になってきます

マザーボードのCPUソケット、その周囲にある4つの穴を確認し、ICE BLADE 100にある4本の固定用ピンをそこに差し込みます
マザーボードのCPUソケット、その周囲にある4つの穴を確認し、ICE BLADE 100にある4本の固定用ピンをそこに差し込みます

固定用ピンの対角線にある2本を、グッと小さく「カチッ」という音がするまで同時に押し込みます。残った2本も同様に押し込みます
固定用ピンの対角線にある2本を、グッと小さく「カチッ」という音がするまで同時に押し込みます。残った2本も同様に押し込みます

押すのはこの部分です
押すのはこの部分です

しっかり押し込まれた状態。ちなみに純正CPUクーラーの固定も、ほぼ同様の固定用ピンで行われます
しっかり押し込まれた状態。ちなみに純正CPUクーラーの固定も、ほぼ同様の固定用ピンで行われます

しっかり固定されたか不安な時は、マザーボードを裏返して、固定用ピンの状態を確認しましょう
しっかり固定されたか不安な時は、マザーボードを裏返して、固定用ピンの状態を確認しましょう

t-3184

最後にICE BLADE 100の電動ファンから伸びている電源ケーブルを、マザーボードに接続します

最後にICE BLADE 100の電動ファンから伸びている電源ケーブルを、マザーボードに接続します

CPUクーラーの取り付け完了! いい雰囲気になってきました!
CPUクーラーの取り付け完了! いい雰囲気になってきました!

CPUクーラーを取り付ける際、特にICE BLADE 100のように電動ファンがマザーボードに対して垂直になるタイプの場合は「風の流れ」を考えて、取り付け方向を決めてください。というのも今回使用する本体ケースは、背面に電動ファンがあり、CPU周りの空気を「排気」するようになっています。なのでその排気する方向に合わせて、CPUクーラーを取り付ければ、よりスムーズに風を送ることができるのです。電動ファンの多くはその側面に回転方向と風が流れる向きが、矢印で示されています。それを確認して、より効率的に風が流れるように固定しましょう。もっとも逆に取り付けたからといって、よほどのハイエンドパソコンでない限り、不具合が生じることはありません。

ICE BLADE 100の場合は固定用のピンが、純正CPUクーラーとほぼ同じものです。初めて取り付ける際には何もせず、CPUソケット周囲にある穴にピンを合わせ、対角線上の2本のピンを同時にグッと押し込んでください。ピンはマザーボード裏に少し出る形となりますので、マザーボードの付属する緩衝材の上などで作業した方がいいでしょう。ピンはしっかり押し込みますが、無理は絶対にしないでください。マザーボードに過度の負担をかけると故障の原因になるからです。

ちなみにCPUクーラーを取り外す時は、固定用ピンの押し込む部分を回転させてから、上に引き上げます。要するに回転させることでロック状態を解除し、引き上げて抜く訳です。これを再度取り付ける場合は、回転させたピンを元に戻してやらなくてはなりません。この元に戻すのを忘れて「固定できない」と悩む人も結構多いようですから注意してください。

固定が終わったら電動ファンから伸びているケーブルを、マザーボードの指定されたコネクタへ接続します。マザーボード上、あるいはマニュアルに「CPU Fan」などと書かれているコネクタがそれです。要するにCPUクーラーの電動ファンは、マザーボードから電源を確保するということですね。なお、最近のCPUクーラーで使われている電動ファンの電源コネクタは、3ピンタイプと4ピンタイプがあります。一方、マザーボードの方のコネクタは3ピンタイプ、4ピンタイプ、あるいはその両方が用意されている場合があるようです。3ピンタイプは3ピンのコネクタに、4ピンタイプは4ピンのコネクタに接続しましょう。マザーボード側に3ピンコネクタしか無く、CPUクーラー側が4ピンの場合でも、その4ピンは3ピンに刺さるようになっています。逆もしかりなので、慌てないでくださいね(3ピンと4ピンの違いは、電動ファンの制御方法に関係しています)。

■メモリの取り付け

マザーボードにCPUとCPUクーラーを取り付けると、かなりコンピューターらしくなると思うのは、私が自作パソコンマニアだからでしょうか? 私個人の気持ちとしては、最重要パーツであるCPUとマザーボードを組み合わせた時点で、組み立て作業の半分ぐらいが終わったような気持ちになるんですが……。

さて、マザーボード周り、最後の作業はメモリの取り付けです。今回使用しているASRockのH97 Pro4は、4本のメモリソケットを装備し、最大32GバイトのDDR3メモリを搭載することができます。要するに8Gバイトメモリモジュールを4本搭載できるということです。また、デュアルチャンネルに対応していますので、同じメモリを2本搭載することで、パフォーマンスを向上させることができるのです。というかですね、デュアルチャンネルに対応しているマザーボードには、2枚組みでメモリを搭載するのが基本と憶えておいてください。

少し余談になりますが、例えば8Gバイトのメモリを搭載する場合。デュアルチャンネルを有効にするため、4Gバイト2本にするか、それとも8Gバイト1本にするか、どちらを選ぶかで悩むことがあります。基本的には4Gバイト2本でいいのですが、例えば「今は予算の関係で8Gバイトだけど、近いうちにもう1本8Gバイトを買って、16Gバイトのデュアルチャンネルにしたい」という場合もあるということです。なのでデュアルチャンネルは基本、ただし将来の予定があるならモジュール1本で使うのもありということなのです。

さっそくメモリを取り付けますが、その前にマザーボードのマニュアルを開いて、メモリソケットのページを探してください。そこには「デュアルチャンネルの場合は、どのソケットを使うか?」が図示されているはずです。デュアルチャンネルを有効にするには、その図示されている通りにメモリを取り付けなくてはなりません。マニュアルを見るとH97 Pro4の場合、モジュール2本のデュアルチャンネルでは「DDR3_A2」、「DDR3_B2」を使用するのが優先と分かります(これはあくまで優先。CPUクーラーやメモリモジュールの高さの物理的な問題がある場合は、「DDR3_A1」と「DDR3_B1」でもデュアルチャンネルは有効になります)。

マニュアルでデュアルチャンネルの場合は、どのソケットを使用するか確認
マニュアルでデュアルチャンネルの場合は、どのソケットを使用するか確認

4本あるメモリソケットを確認。マニュアルと見比べて、どれが「DDR3_A2」と「DDR3_B2」なのかを把握しましょう
4本あるメモリソケットを確認。マニュアルと見比べて、どれが「DDR3_A2」と「DDR3_B2」なのかを把握しましょう

「DDR3_A2」と「DDR3_B2」をマニュアルで確認したら、メモリを取り付けます。まずメモリソケットの両端にあるレバーを、外側に向かって開きます。このマザーボードの場合は両端にレバーがありますが、マザーボードによっては片側にしかない場合もあります。


レバーというかツマミというか、その部分を外側に向かって開く

「DDR3_A2」と「DDR3_B2」のレバーを開いた状態
「DDR3_A2」と「DDR3_B2」のレバーを開いた状態

メモリモジュールの方も見てみましょう。金色の部分がマザーボードと接続される接点ですが、240ピンあります。この接点部分を「ゴールドフィンガー」と呼びますが、極力触らないようにしてください。汚れがついたりすると接触不良の原因になりますし、触れた際に静電気が流れると最悪、故障してしまいます。また、接点部分に切り欠きが一ヶ所あることに注目してください。中央ではなくどちらかに寄った所にある切り欠きで、メモリソケットと合わせるようになっているのです。

ではメモリモジュールの切り欠きと、メモリソケットの突起を確認したら取り付けます。ちなみに自作業界では「メモリを刺す」と言いますが、実際に作業してみると、その意味がよくわかります。

写真では切り欠きが、中央より左寄りになっています
写真では切り欠きが、中央より左寄りになっています

モジュールの切り欠きとメモリソケットを合わせて……
モジュールの切り欠きとメモリソケットを合わせて……

レバーの溝に合わせて差し込み、レバーが元の位置に戻るまで、両端をしっかり押し込みます
レバーの溝に合わせて差し込み、レバーが元の位置に戻るまで、両端をしっかり押し込みます

取り付けた状態
取り付けた状態

もう1枚も取り付けて(刺し込んで)、メモリ取り付け完了!
もう1枚も取り付けて(刺し込んで)、メモリ取り付け完了!

取り付ける際のコツというか注意は、絶対に無理をしないこと、そしてメモリの両端を均等な力で押すということです。切り欠きさえ合っていれば、ある程度の力でメモリは刺さるはずです。そしてレバーが起き上がり、小さく「カチッ」という音がします。取り付けが終わったら、ソケットのエッジの部分とメモリモジュールの接点部分の隙間をよく見てください。左右で高さが違ったり、斜めになっていたりしたらうまく刺さっていない状態です。再度、差し込みを行ってください。

基本的にレバーをちゃんと開いて、切り欠きを合わせて取り付ければ、さほど難しい作業ではないのですが……。意外なことに切り欠きが合っておらず、それでも無理矢理上から力を加えて押し込み、メモリソケットやメモリモジュールを破損してしまう事例が多くあります。慎重に確認しながら作業してください。

メモリの取り付けが終わったら、とりあえずマザーボードは邪魔にならない安全な場所に移動しておきます。次は本体ケースを中心とした作業に入ります。

どんどんいい雰囲気になってきます!
どんどんいい雰囲気になってきます!

・パソコン自作のススメ「ドライバー1本で始めよう!」バックナンバー
その1「ドライバー1本で始めよう!」
その2「パーツ選びは遠足前夜(前編)」
その3「パーツ選びは遠足前夜(中編)」
その4「パーツ選びは遠足前夜(後編)」
その5「いよいよ組み立て! でもその前に」
その6「ついに組み立て!(前編)」
その7「ついに組み立て!(中編)」
その8「ついに組み立て!(中編2)」
その9「ついに組み立て!(後編)」

レビュー / コラム

ページトップへ