デュアルSIMスロット搭載のSIMロックフリー8インチAndroidタブレット「Diginnos Tablet DG-Q8C3G」レビュー Text by 石井英男

いつでもどこも気軽に利用できることがタブレットの利点だが、その利点を最大限に活かせるのが、ワイヤレスWAN対応タブレットである。ワイヤレスWANとは、3GやLTEといった携帯電話網やWiMAXなどの総称であるが、要するにワイヤレスLAN環境がない場所でも自由にインターネットにアクセスできるというものだ。ワイヤレスWAN非対応のタブレットでも、スマートフォンのテザリング機能を利用したり、モバイルWiFiルーターを一緒に持ち歩けば、同じような運用が可能になるが、あまりスマートとはいえない。やはり、タブレット単体で使える、ワイヤレスWAN対応タブレットがベストである。

しかし、ワイヤレスWANに対応したタブレットは、NTTドコモやソフトバンクモバイル、auといった携帯電話事業者から発売されている製品を除けば、まだそれほど多くはなく、価格も比較的高価だ。また、携帯電話事業者から販売されているワイヤレスWAN対応タブレットは、SIMロックがかけられており、そのキャリアの携帯電話網しか使えないことが一般的だ(最近は、有償でSIMロック解除サービスも行われている)。

携帯電話事業者の携帯電話網を借りて安価にインターネット接続サービスを提供するMVNO事業者が増えているが、こうしたサービスを気軽に利用できるのが、対応周波数帯などの条件さえ満たせば、SIMカードの提供先を問わないSIMロックフリー端末である。さらに、SIMロックフリー端末なら、海外旅行などの際にも、現地でSIMカードを購入することで、高価な海外ローミングサービスを使わずに安くインターネットを利用できるというメリットもある。

前置きが長くなってしまったが、株式会社サードウェーブデジノスから登場した「Diginnos Tablet DG-Q8C3G」は、SIMロックフリーのAndroidタブレットであり、しかも標準サイズのSIMスロットとMicroSIMスロットの2つのSIMスロットを搭載したデュアルSIMスロット仕様になっていることが特徴だ。低価格なSIMロックフリーのAndroidタブレットというだけでも貴重な存在だが、さらにデュアルSIMスロット搭載なので、他のスマートフォンなどで使っているSIMカードや海外で購入したSIMカードの使い回しもしやすいという、複数の端末を低価格で運用したい人や、海外によく行く人には非常に嬉しい製品だ。今回は、このDiginnos Tablet DG-Q8C3G(以下、DG-Q8C3G)を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

・タブレットとしての基本性能は十分

DG-Q8C3Gは、8インチ液晶を搭載したAndroidタブレットである。本体のサイズは、120×206×9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約320gと、8インチタブレットとしては軽いほうだ。SoCとしては、MediaTek MT8382を搭載する。MediaTek MT8382は、クアッドコアCPUのCortex-A7と、GPUのMali-400MPを統合したSoCであり、パフォーマンスは十分だ。メモリは1GB、ストレージは16GBであり、実売2万円を切るAndroidタブレットとしては標準的なスペックだ。OSのバージョンは4.2(Jerry Bean)であり、4.x系列の最終バージョンである4.4ではないが、機能的には4.2でもそれほど大きな違いはない。

デュアルSIMスロット搭載のAndroidタブレット「Diginnos Tablet DG-Q8C3G」
デュアルSIMスロット搭載のAndroidタブレット「Diginnos Tablet DG-Q8C3G」

液晶解像度は、1,280×800ドットで、こちらも標準的なスペックだ。液晶タッチパネルは静電容量式で、5点マルチタッチに対応。タッチパネルの感度や精度にも不満はない。

本体背面のカバーはホワイトで、表面には滑り止めのための細かなテクスチャ加工が施されている。

インターフェイスとしては、microUSBポートとヘッドホン出力が用意されている。microUSBポートは、ホスト機能もサポートしており、USBメモリなどを利用できる。microSDカードスロットも用意されているが、前述したように背面カバーの上部の下に隠れているため、頻繁に抜き差しする用途には向かない。microSDカードは、最大32GBまで利用できる。カメラは前面と背面に装備しており、前面が約30万画素、背面が約200万画素である。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11b/g/n準拠の無線LAN機能とBluetooth 3.0をサポートしている。センサーは加速度センサーとGPSを搭載する。

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裏側にはテクスチャ加工が施されている
裏側にはテクスチャ加工が施されている

・通常サイズのSIMカードとMicroSIMカードを同時に装着可能

DG-Q8C3Gの魅力は、ワイヤレスWANに対応しており、しかもSIMロックフリーかつデュアルSIMスロット搭載であることだ。ワイヤレスWAN機能は、3GのWCDMA 2100(バンドI)対応で、高速通信規格のLTEには非対応だが、国内の携帯電話事業者ならNTTドコモのFOMAサービスとソフトバンクモバイルのSoftbank 3Gが、WCDMA 2100を利用している。従って、この両事業者のSIMカードか、またはこの両事業者の携帯電話網を利用するMVNOサービスのSIMカードなら基本的に利用できることになる(イー・アクセスやauのSIMカードは周波数帯や方式が違うので利用できない)。DG-Q8C3GのSIMスロットは、背面カバーの上(背面カメラ部分)に用意されており、カバーの上部を外すことでアクセスできる。MicroSIMカードと標準サイズのSIMカードを同時に装着することができるが、2枚のSIMカードを同時に利用することはできず、本体の設定でどちらのSIMを使うかを選択することになる。今回は、OCNモバイルONEの「SMS対応」SIMパッケージと、楽天モバイルのSIMカードを用意して、テストを行ってみた。前者はデータ通信のみ利用可能で、後者は音声通話にも対応している。


背面カバーは、背面カメラ部分の細長い部分とそれ以外の2つのパーツから構成されている


スロットが3つあるが、写真で向かって左が標準サイズのSIMスロット、中央がMicroSIMスロット、右がmicroSDカードスロットである


SIMカードを差したところ

DG-Q8C3Gは、標準サイズのSIMスロットとMicroSIMスロットの両方を備えており、一度に2枚のSIMカードを挿すことができる。試しに、OCNモバイルONEのSIMカードと楽天モバイルのSIMカードの両方を装着したところ、どちらのSIMカードも認識された。設定メニューの一番上にある「SIM管理」という項目を選ぶことで、それぞれのSIMの有効/無効の切替や音声通話、SMS、データ接続のそれぞれで、どちらのSIMカードを標準で使うかといった設定が可能だ。ただし、3G通信を行うSIMカードは、どちらか1枚のみであり、「設定」メニューのその他」→「モバイルネットワーク」→「3G services」→「Enable 3G」で、どちらのSIMの3G通信を有効にするかを選択できる。つまり、3G通信を行えるのはどちらかのSIMカード1枚のみで、同時に2枚のSIMカードを使って3G通信を行うことはできない。

しかし、2枚のSIMカードを挿しておき、通信量の制限が来たら、もう1枚のSIMカードに切り替えるといった運用は可能だ。または、海外出張などで、2つの国を行ったり来たりする場合、それぞれの国で利用できるSIMカードをあらかじめ挿しておけば、3G servicesの設定を変えるだけで、いちいちSIMを差し替える必要なく、他の国でのインターネット接続や音声通話などが可能になる。

実際に、音声通話対応の楽天モバイルのSIMカードを使って親戚に電話をかけてみたが、問題なく会話が行えた(音声通話非対応のSIMカードでは電話での会話は行えない)。

「設定」メニューの一番上に「SIM管理」という項目がある
「設定」メニューの一番上に「SIM管理」という項目がある

SIMを2枚同時に挿すと、2枚とも認識され、それぞれ有効/無効の切替が可能。最上列のアンテナピクトも2つあることに注意
SIMを2枚同時に挿すと、2枚とも認識され、それぞれ有効/無効の切替が可能。最上列のアンテナピクトも2つあることに注意

「設定」メニューの「無線とネットワーク」から「その他」→「モバイルネットワーク」を選択する
「設定」メニューの「無線とネットワーク」から「その他」→「モバイルネットワーク」を選択する

 


「3G services」→「Enable 3G」で、どちらのSIMの3G通信を有効にするかを選択する。これはOCNモバイルONEの3G通信を有効にしたところ


こちらは楽天モバイルの3G通信を有効にしたところ

 

・Google Playストアには非対応だが、代わりにTapnowマーケットなどを利用できる

DG-Q8C3Gは、ワイヤレスWAN対応ながら、2万円を切る価格を実現していることが魅力だ。その代わり、Google Playストアには非対応となっているが(Google Playストアに対応するにはGoogleの認証が必要で、コストがかかる)、TapnowマーケットやAmazonアプリストアといった、サードパーティのアプリケーションマーケットを利用することで、アプリケーションを入手できる。さらに、「ESファイルマネージャ」や「ESタスクマネージャ」、日本語変換システムの「Simeji」などもプリインストールされている。

なお、充電やデータ転送に利用するmicroUSB-USBケーブルは付属しているが、ACアダプタは付属していない。とはいえ、USBポートから充電できるので、特に困らないだろう。

・格安MVNOサービスと組み合わせて使うのに最適なタブレット

参考のために「Quadrant Standard Ver.2.1.1」を用いて、ベンチマークテストを行ってみた。結果は下の表と画面キャプチャに示したとおりで、エントリークラスのAndroidタブレットとしては優秀なスコアであり、実際の使用感も快適であった。

表1 Quadrant Standard Ver.2.1.1



Total 5682
CPU 17824
Memory 3174
I/O 4917
2D 459
3D 2036

 

Quadrant Standard Ver.2.1.1の結果。一番上がDG-Q8C3Gである
Quadrant Standard Ver.2.1.1の結果。一番上がDG-Q8C3Gである

DG-Q8C3Gのドスパラ通販価格は19,980円(税込)であり、ワイヤレスWAN対応のSIMロックフリーAndoridタブレットとしては、非常に魅力的な価格である。標準サイズのSIMとMicroSIMの両方に対応していることも高く評価できる。SIMロックフリーなので、用途や予算に応じて、自由にSIMカードを選べることがウリであり、格安MVNOサービスと組み合わせて使うには最適だ。海外に頻繁に行く人や、ワイヤレスWAN対応タブレットが欲しいが、大手携帯電話事業者の料金プランでは維持費が高すぎて二の足を踏んでいた人に、特にお勧めしたい。

・製品情報
Diginnos Tablet DG-Q8C3G

・記事掲載時点でのドスパラ通販販売価格
19,980円(税込)

・ドスパラWEBサイト商品ページはこちら
Diginnos Tablet DG-Q8C3G

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