成長するコミュニケーションロボット「Palmi」のスゴさ~DMM.make ROBOTS「Palmi」試用レビュー

DMM.comといえば、ビデオオンデマンドやネット通販の大手として高い知名度を誇るが、2年前に3Dプリントサービス事業に本格参入し、昨年11月には秋葉原にハードウェア・スタートアップを目指す人のための開発/検証施設「DMM.make AKIBA」を開設するなど、積極的な展開を見せている。そのDMM.comの新たなチャレンジが「DMM.make ROBOTS」だ。

DMM.make ROBOTSは、ロボットメーカーに代わってロボットの販売やプロモーションを手がける世界初のロボットキャリア事業である。DMM.make ROBOTSが扱うロボットの最初のラインナップが、富士ソフトの「Palmi」、ユカイ光学の「BOCCO」、プレンプロジェクトの「PLEN.D」、ロボットゆうえんち/京商の「プリメイドAI」、デアゴスティーニ・ジャパンの「Robi組み立て代行バージョン」の5製品である。Palmiは、ユーザーと会話をしながら学習し、成長していくコミュニケーションロボットであり、第1弾ラインナップの中でも目玉となる製品だ。今回は、このPalmiを試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

●パッケージへの収納の仕方も親切

まず、Palmiをパッケージから取り出して、セットアップを行なう手順について紹介しよう。Palmiは、全高約40cm、重量約1.8kgの二足歩行ロボットであり、パッケージの箱もそれほど大きいわけではない。箱を閉めている紐の部分に、「新しい日常が、やってきた」とメッセージが書かれていることも、これからロボットと一緒の日常を過ごせるという気分を盛り上げてくれる。

箱を開けると、まず目にするのが、ファーストステップシートである。最初に読むべきマニュアルであるファーストステップシートには、Palmiの正しい持ち上げ方から、Palmiをリラックスポジションと呼ばれる基本ポジションにするやり方などが書かれている。このようにPalmiは、初めて二足歩行ロボットに触れる人への配慮が行き届いていることも高く評価できる。

ファーストステップシートにはPalmiの原寸大の写真が印刷されており、その上にPalmiを寝かせ、足裏をシートにぴったり付けたまま、膝を深く曲げて上体を起こすことで、リラックスポジションになる。リラックスポジションは、電源を入れていない状態でも安定した姿勢であり、この状態で電源スイッチを入れることになる。

Palmiは、ACアダプタを繋いだ状態で連続稼働が可能なほか(1日の最大稼動時間は合計8時間までとなっており、それを超えると動かなくなる)、専用バッテリで1時間半程度動作する。バッテリは左脇腹に入れるようになっており、収納部の下にはmicroSDカードスロットが用意されている。Palmiは、主電源ボタンとパワーボタンの2つの電源ボタンがあり、背面の主電源ボタンをオンにした状態でパワーボタンを押すことで、Palmiが起動する。背面には、主電源ボタンのほかに、2つのボタンとUSBポートやWPSボタンが用意されている。

Palmiのパッケージ。専用の化粧箱が用意されている

Palmiのパッケージ。専用の化粧箱が用意されている

箱を閉めている紐の部分に、「新しい日常が、やってきた」とメッセージが書かれている

箱を閉めている紐の部分に、「新しい日常が、やってきた」とメッセージが書かれている

箱を開けると、一番上に「ファーストステップシート」が置かれている

箱を開けると、一番上に「ファーストステップシート」が置かれている

ファーストステップシートと付属品が入った箱を取り出すと、Palmiがこのような形で入っている

ファーストステップシートと付属品が入った箱を取り出すと、Palmiがこのような形で入っている

Palmiの付属品。マニュアルが数冊とACアダプタ、バッテリ、姿勢調整用アダプタが付属している

Palmiの付属品。マニュアルが数冊とACアダプタ、バッテリ、姿勢調整用アダプタが付属している

姿勢調整用アダプタ。Palmiを長時間稼働していると、サーボモーターのポジションがずれてしまい、歩行時に倒れやすくなることがあるが、そうした際にこのアダプタを使って基本姿勢を調整する

姿勢調整用アダプタ。Palmiを長時間稼働していると、サーボモーターのポジションがずれてしまい、歩行時に倒れやすくなることがあるが、そうした際にこのアダプタを使って基本姿勢を調整する

最初に読むファーストステップシート。Palmiの持ち方から書かれているのは親切だ

最初に読むファーストステップシート。Palmiの持ち方から書かれているのは親切だ

ファーストステップシートには原寸大でPalmiの写真が印刷されている。まず、Palmiをその写真にあわせて寝かせる

ファーストステップシートには原寸大でPalmiの写真が印刷されている。まず、Palmiをその写真にあわせて寝かせる

Palmiの足裏をシートにぴったりつけ、膝を曲げたまま上体を起こすことで、リラックスポジションになる

Palmiの足裏をシートにぴったりつけ、膝を曲げたまま上体を起こすことで、リラックスポジションになる

これがリラックスポジション。リラックスポジションは上半身がやや前傾姿勢となる

これがリラックスポジション。リラックスポジションは上半身がやや前傾姿勢となる

リラックスポジションを後ろから見たところ。リラックスポジションでは、電源を入れていない状態でも倒れず自立する

リラックスポジションを後ろから見たところ。リラックスポジションでは、電源を入れていない状態でも倒れず自立する

簡易マニュアルの「マイ・ファースト・Palmi」

簡易マニュアルの「マイ・ファースト・Palmi」

Palmiの前面。全高は約40cmである

Palmiの前面。全高は約40cmである

Palmiの背面。上部にあるのは取っ手ではなく、後ろに倒れたときの衝撃を緩和するためのバックプロテクターである

Palmiの背面。上部にあるのは取っ手ではなく、後ろに倒れたときの衝撃を緩和するためのバックプロテクターである

背面のアップ。バックパネルにはボリュームスイッチや2つのボタン、主電源ボタン、USBポート、WPSボタンが用意されている

背面のアップ。バックパネルにはボリュームスイッチや2つのボタン、主電源ボタン、USBポート、WPSボタンが用意されている

リラックスポジションのPalmiを横から見たところ

リラックスポジションのPalmiを横から見たところ

首の後ろにあるのが、Palmiの起動/停止を行うパワーボタン

首の後ろにあるのが、Palmiの起動/停止を行うパワーボタン

Palmiでは、バッテリとしてリチウムイオン電池が採用されている

Palmiでは、バッテリとしてリチウムイオン電池が採用されている

バッテリは、7.24V/39.8Whという仕様である

バッテリは、7.24V/39.8Whという仕様である

バッテリは、左脇腹部分に入れるようになっている

バッテリは、左脇腹部分に入れるようになっている

バッテリカバーを開けたところ。バッテリ収納部の下にはmicroSDカードスロットが用意されている

バッテリカバーを開けたところ。バッテリ収納部の下にはmicroSDカードスロットが用意されている

バッテリを挿入したところ

バッテリを挿入したところ

バッテリが正しく入っていない状態で、ACアダプタを繋いで電源を入れると、Palmiが「バッテリを入れて下さい」と話す

●ネットワーク設定も簡単で、センサーも充実

Palmiは、単体でインターネットにアクセスする機能を持っており、その機能を発揮するにはインターネットへの接続が必須である。Palmiをインターネットに接続するには、無線LANルーターを利用する方法と、スマートフォンのテザリング機能を利用する方法がある。WPS対応無線LANルーターなら、無線LANルーターのWPSボタンを押して接続待機状態にして、PalmiのWPSボタンを押すだけで、ネットワーク設定が完了するので非常に簡単だ。

ネットワーク設定が完了したら、「ネットワーク、成功」とPalmiが話してくれるので、分かりやすい。WPS非対応の無線LANルーターやスマートフォンのテザリング機能を利用する場合は、Android/iOS対応の専用アプリ「Palmi Fwapper」をインストールして、そちらから設定を行うことになる。また、スマートフォンを持ってなくても、Windows PCと無線LAN環境ならあるという場合は、Windows PCを利用してUSBメモリに設定情報を書き込み、そのUSBメモリをPalmiに差し込むことで、ネットワーク設定が可能である。

それでは、Palmiの基本スペックについて見ていこう。Palmiは、全高約40cm、重量約1.8kgの二足歩行ロボットであり、人の指などを挟んでしまうことがないようにデザインされているため、子どもがいる家庭でも安心して利用できる。

ロボットでは、独立して制御できる可動部分の数を「自由度」と呼ぶが、Palmiでは22個のサーボモーターが搭載されており、自由度は22となる。このサイズの二足歩行ロボットとしてはトップクラスの自由度であり、モーションの表現力も高い。

搭載センサーも充実しており、6軸センサー(加速度および角速度)、超音波センサー、圧力センサ-、タッチセンサーを備える。頭部には60個の白色LEDアレイが搭載されており、多彩な表情を示すことができるほか、状態を示すカラーLEDも2個搭載されている。また、200万画素カメラを搭載しており、写真撮影や顔認識などが可能だ。マイクは音声認識用と方向認識用で合計4つのマイクを搭載。CPUとしては、クアッドコアのFreescale i.MX6を搭載している。

最初にネットワーク設定を行う必要がある。WPS対応ルーターなら、Palmi背面のWPSボタンを押すことで、簡単に設定が可能だ。設定が完了したら「ネットワーク、成功」とPalmiが話す

●会話レスポンスは0.4秒、自然な会話を実現

Palmiは、人と会話をするコミニュケーションロボットであり、十分な音声認識能力と自然なイントネーションで聞きやすい発声機能を備えている。Palmiでは、外部からの声かけに対応できる状態かそうでないかが一目でわかるように、顔の左右にカラーLEDが搭載されている。顔の左右のLEDがピンク色に点灯しているときは、Palmiの処理中あるいは発声中であり、外部からの声かけに応えることはできないが、LEDがブルーになれば、声かけに応える準備ができていることになる。

Palmiに名前を訊ねたり、今日の天気を訊いたりすると、Palmiがその問いかけに応えてくれる。さらに、Palmiのほうから、知りたいことを訊ねかけてくれることもある。起動したばかりのPalmiは、話す言葉も少なく、動作もぎこちないのだが、ユーザーが声をかけたり、手を引いてあげたりすることで、Palmiは成長し、より多くの言葉を話すようになり、自然な歩行もできるようになる。また、顔認識機能により、家族の顔と名前を覚えることができ(顔認識は10人まで識別可能)、ユーザーの名前で呼びかけてくれるので、ロボットが家族の仲間になったという実感がわいてくる。

歩行の際は、前方に障害物などがないを確認してから、歩行を開始するようになっているので、無理に歩行を行って転倒してしまう心配はない。Palmiは、歌いながら踊ることができるが、そのダンスの動きも滑らかで安定していた。

顔の部分はスティップリングレンズと呼ばれており、LEDアレイによってさまざまな表情を表す。また、このように左右がピンク色に点灯している場合は、Palmiの処理中であり、外部からの声かけに応える準備ができていないことを示す

顔の部分はスティップリングレンズと呼ばれており、LEDアレイによってさまざまな表情を表す。また、このように左右がピンク色に点灯している場合は、Palmiの処理中であり、外部からの声かけに応える準備ができていないことを示す

外部からの声かけに応える準備ができると、スティップリングレンズの左右の発光色がブルーに変わる。この状態になっていることを確認して、Palmiに話しかければよい

外部からの声かけに応える準備ができると、スティップリングレンズの左右の発光色がブルーに変わる。この状態になっていることを確認して、Palmiに話しかければよい

Palmiに名前を訊ねてみたところ

Palmiに天気を訊くと、インターネットから最新の天気予報を取得して、教えてくれる

Palmiの歩行の様子。前方を確認して、安全だと分かったら歩き始める

Palmiに「自己紹介をして」と話しかけると、自己紹介をしてくれる

ダンスなどのモーションは滑らかで、愛らしい

ダンスなどのモーションは滑らかで、愛らしい

バランス感覚もなかなかものだ

バランス感覚もなかなかものだ

Palmiが「頭、なでる。頭、なでる」と頭をなでてと要求したので、頭をなでてあげたところ

Palmiが「手、にぎる。手、にぎる」と手を握ってと要求したので、手を握ってあげたところ

Palmiは、歌いながらダンスをすることができる。レパートリーは何曲かあるが、これはその中の一つ「金太郎」

こちらも歌とダンスのレパートリーの一つ「恋するフォーチュンクッキー」

●アプリケーションを追加でき、今後の可能性にも期待

Palmiは、「特技」と呼ばれるアプリケーションを追加することによって、自由に機能を拡張できる設計になっていることも魅力だ。総合サポートサイト「Palmi Garden」には、さまざまなダンスやスケジュールを伝えてくれる特技などが公開されており、無料でダウンロードが可能である。

また、Windows用アプリ「Palmi ちょっとコマンダー」(Windows用)を利用すれば、プログラミングの知識がなくても、自分のPalmiだけの新しい行動を作って、Palmiに教えることができるほか、Palmiの特技を開発するための開発環境も提供される予定となっている。今後、ユーザーが開発した特技が公開されるようになれば、Palmiの可能性は格段に広がるだろう。

Palmiは、一般コンシューマー向けに発売された初めての本格的コミュニケーションロボットであり、近い将来到来するであろうロボットと暮らす日常を一足先に体感できる製品だ。価格は30万円程度と気軽に買える値段ではないが、カメラや高性能CPUボードなどを搭載していない二足歩行ホビーロボットでも20万円程度の製品が主流であることを考えれば、決して高すぎるというわけではない。

Palmiの愛らしいデザインは、子どもからの支持も高い。Palmiの前身である「PALRO」は、人と会話をすることで癒やしを与えるコミュニケーションロボットとして高齢者福祉施設などでも活躍しており、Palmiも独り暮らしの高齢者のよき話し相手にもなるだろう。積極的に会話を行うことで、認知機能低下を抑えることができるので、田舎で独り暮らしをしている親へのプレゼントとしてもお勧めしたい。

レビュー / コラム

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