日本製線とR&M Japan、共同で「10GBASE-Tソリューションセミナー」を開催

日本製線株式会社とR&M Japan株式会社は、共同で、12月11日に「10GBASE-Tソリューションセミナー」を開催した。

「10GBASE-T」は、IEEE 802.3an規格で定められた、ツイストペアケーブルによって最大100mまで10Gbpsの速度での接続を可能とする新しいイーサネット規格。オートネゴシエーション機能によって100/1000BASE-Tとの互換性を持ち、また、Cat.6/Cat.6Aのツイストペアケーブルによる接続であるため、光ファイバケーブルなどを必要とせず、比較的安価にスムーズな移行が可能と期待されている。

R&M Japan株式会社セールス・マネージャー 渡辺敦氏
R&M Japan株式会社セールス・マネージャー 渡辺敦氏


今回のセミナーは、まず第一部として、R&M Japan株式会社セールス・マネージャー渡辺敦氏より「Cat.6A 10G 伝送について(ISO 11801 Class EA)」と題し、「10GBASE-T」「PoE」「自動インフラ管理」などをキーワードに、オフィス配線の最新トレンドが解説され、新製品情報が紹介された。

R&M Japanの経験では、大規模プロジェクトにおける物理インフラの占める比率は、IT投資全体の約7%ほどだが、ネットワーク問題の約50%は物理層で発生している状況があるという。高品質な部材は、一般的な部材より10~20%ほど割高にはなるが、IT投資総額の0.5%ほどに過ぎず、問題の発生頻度と影響の大きさを考慮すると、物理的インフラ、配線システムについては十分配慮すべきという。特に日本では、UTP(Unshielded Twisted Pair)アンシールデッド・ケーブルが標準的に用いられることが多く、STP(Shielded Twisted Pair)シールデッド・ケーブルが配線システムの主流となっているヨーロッパよりも「10GBASE-T」環境においては、より一層の注意が必要になるだろうという予測が示された。

P1100379

P1100372

P1100395

また、近年普及が進んでいる、PoE(Power over Ethernet)への配慮も必要という。PoEは、IEEE 802.3afとして標準化されている、Cat.5以上のツイストペアケーブルを通じて電力を供給する技術で、主に電力供給の困難な場所に設置された、スイッチングハブ、無線LANアクセスポイント、Webカメラ、IP電話機などで利用されている。現在は、15Wまでの利用が中心だが、ケーブル内の電流により発熱し、温度が上昇するほど、リンクの減衰量は多くなるというデータが示された。さらに、品質が劣るプラグにおいては、抜き差し時にスパークが発生し、接点を破壊してしまう状況が写真で伝えられた。こうした、PoEへの対応という観点からも、高品質な配線インフラが望ましいという。

P1100403

P1100405

P1100407

P1100415

日本製線株式会社開発部マネージャー浅香芳晴氏
日本製線株式会社開発部マネージャー浅香芳晴氏


第二部は、日本製線株式会社開発部マネージャー浅香芳晴氏より、「10GBASE-Tケーブリングシステムの最適な設定」と題し、様々な検証により「10GBASE-T」の高速通信環境が、生活環境に存在する多様なノイズの影響を受けやすい状況が解説された。

日本製線が実施したアンケートによれば、「10GBASE-T」の環境においても大半のユーザーがU/UTP(非シールド)ケーブルの使用を検討しており、その背景にはシールド施工の経験が十分でないことへの不安があるという。その一方で、「10GBASE-T」の信号レベルは1000BASE-Tの100分の1であり、ノイズの影響をより受けやすいとし、バーストノイズ試験の結果を公開した。ヨーロッパの第三者認定機関であるドイツGHMT社にて実施した試験結果によると、電力線との隔離試験では、SF/UTP(編組及びフォイルシールド)、F/UTP(フォイルシールド)では影響が検出されなかった反面、U/UTP(非シールド)では、30cmの距離においても影響を被る結果となることが示された。

P1100508

また、日常生活の電波環境からの影響を測るため、日本国内の検証機関で放射イミュニティ試験を実施した結果、400MHz以下の周波数帯で、U/UTP(非シールド)では速度低下がみられる状況が公開された。さらに詳細な試験を行い、U/UTP(非シールド)も、携帯電話、WiFi機器、トランシーバには影響を受けないが、グロースタータ型、ラピッドスタート型の蛍光灯のスイッチON/OFFの影響は受けるという結果が示された。加えて、正確な値は取れなかったとしながらも、試験中に「10GBASE-T」が稼働しているケーブルを移動させた際にも速度低下の影響も見られたことから、「10GBASE-T」の配線システムには衝撃を与えないことが推奨されるという。

全体を通じて「10GBASE-T」環境の構築には十分な配慮が必要である、というメッセージが込められた内容だった。両社は今後も日本国内での啓蒙活動を進めていく予定という。

P1100608
セミナー会場には両社の製品も展示されていた

P1100613

日本製線株式会社
R&M Japan株式会社

ニュース

ページトップへ