Inter BEE 2014レポート:映像の最前線はなにかとハイエンド

2014年11月19日から21日にかけて、InterBeeが開催されている。映像制作はアプリケーションの進化もあり、コンシューマでもだいぶ身近なものになっているが、その最前線となると、カメラ以上に別次元の世界が広がっている。それは映像をやってみようと思ったことのある人であれば、感じたことがあるだろう。現在では4K試験放送が始まり、基準がフルHDが4Kへとシフトし始めたタイミングだ。ただ制作ではそれ以上の5Kや6Kでの制作が増えており、RAWデータからのリアルタイム処理や、巨大化するデータへの対策などなど、馴染み深いPCだけみても、Xeonがデフォルトな世界だ。例によって編集長が「ちょっと見てきて、気になったもの紹介してねー」というので、その様子をお伝えしよう。なお筆者、映像はからっきしなので、よくわかんないけどすごいもんがあるなー、な機材が多々だった。

■ Canonで見かけた技術展示センサー

デジタル一眼レフは、動画機能を搭載したことで、映像制作にも使用されるようになった。レンズ群も大切だが、コアとなるのはセンサーだ。超高感度35mmフルサイズCMOSセンサーと超高解像度1.2億画素CMOSセンサーが技術展示されていた。まず超高感度35mmフルサイズCMOSセンサーは、0.01lux以下の環境、つまり人間の目では真っ暗にしか見えない場所でも映像を記録できるものだ。似た製品としてはSONY α7sがあるが、異なる点は一眼レフ用ではなく、動画用として紹介していたところだろうか。

次に超高解像度1.2億画素CMOSセンサー。なんだかよくわからない値のセンサーだが、フルHD(1920×1080ドット)の約60倍、13280×9184ドット。人間の視細胞数相当の画素数となる。コンシューマに降りてくるのはだいぶ先になりそうだが、この数値にしてもイメージが沸きにくいセンサーの映像は、どこかしらで披露してほしいものだ。

テストデータの収録風景も公開されていた。開発機丸出しのボディがかっこいい
テストデータの収録風景も公開されていた。開発機丸出しのボディがかっこいい

超高感度35mmフルサイズCMOSセンサー
超高感度35mmフルサイズCMOSセンサー

超高解像度1.2億画素CMOSセンサー。映像制作だけでなく、航空・宇宙産業を視野も狙うとあった
超高解像度1.2億画素CMOSセンサー。映像制作だけでなく、航空・宇宙産業も視野に狙うとあった

VAIO Prototype Tablet PCの展示も。実際にアプリケーションを操作して使い勝手をチェックできる状態にあった
VAIO Prototype Tablet PCの展示も。実際にアプリケーションを操作して使い勝手をチェックできる状態にあった

■ 4K/8Kの60フレーム再生を実現するソフトウェアデコーダー/エンコーダー

テクノマセマティカルで展示されていたのは、4K/8K向けのデコーダー/エンコーダー。ハードウェアではなく、ソフトウェアで60フレーム再生を実現したものだ。まだ先だろうと思っていたら、見つけてしまったので驚いた。ソフトウェアでの再生なので当然PCには負荷がかかるのだが、デモではワークステーションを使用していた。またロードマップも展示されており、8K用ハードウェアデコーダーは2014年内、8K用ハードウェアエンコーダーは2015年とあった。

H.265/HEVCリアルタイムデコーダーのデモ。8K60フレームでの再生
H.265/HEVCリアルタイムデコーダーのデモ。8K60フレームでの再生

ソフトウェアエンコーダの詳細
ソフトウェアエンコーダの詳細

ハードウェアデコーダー/エンコーダーを含むロードマップ
ハードウェアデコーダー/エンコーダーを含むロードマップ

機器間を遅延0.1秒で伝送できる小型版低遅延動画転送装置も興味深いものだった。インターネット網を介することも可能で、低ビットレートでもちゃんと文字が読めるほか、遅延の短さも機器間ほどではないが、短いものになるという
機器間を遅延0.1秒で伝送できる小型版低遅延動画転送装置も興味深いものだった。インターネット網を介することも可能で、低ビットレートでもちゃんと文字が読めるほか、遅延の短さも機器間ほどではないが、短いものになるという

実際のデモ。左がマスター、右が伝送後。チョウチョの羽で遅延がわかる
実際のデモ。左がマスター、右が伝送後。チョウチョの羽で遅延がわかる

■ PCIe Gen2な記録メディア

映像屋としてのSONYブースでは、放送向けの機器や30インチの有機ELマスモニなどが展示されていた。コンシューマベースでは縁のない機器ばかりだが、業務用カメラに採用されている記憶メディアのスペックがなかなか興味深いものだった。ExpressCardで、Read440MB/s、Write350MB/sに対応し、4K XAVCの記録に対応するSxS PRO+だ。またReadも速く、120GB近いデータの転送を5分30秒の短時間で行えるため、一連のワークフローを加速化させる。コンシューマではSDカード中心となっているが、将来的には、デジタル一眼レフ単体でのRAW動画撮影時代に入る可能性はおおいにあるため、こういったメディアに切り替わるかもしれない。(SDカードのUHS-II普及がまず先と思われるが)。

SxS PRO+はExpressCard。ExpressCardスロットを搭載するPCはほとんど見ないような
SxS PRO+はExpressCard。ExpressCardスロットを搭載するPCはほとんど見ないような

UBS 3.0接続の専用リーダー
UBS 3.0接続の専用リーダー

PXW-FS7K付属で単体発売はないらしい、SELP28135G。α7に装備して撮影してみたが、全域に渡って歪みはほぼなく、かつ切れのいいGレンズらしいレンズだった。約1.2kgとFEレンズとしては重いのだが……ちょっとほしくなった
PXW-FS7K付属で単体発売はないらしい、SELP28135G。α7に装備して撮影してみたが、全域に渡って歪みはほぼなく、かつ切れのいいGレンズらしいレンズだった。約1.2kgとFEレンズとしては重いのだが……ちょっとほしくなった

現場確認用のモニターも豊富展示されていた。コンシューマーではすっかり大型モニターばかりなっているが、超コンパクトモニターもほしいところ
現場確認用のモニターも豊富に展示されていた。コンシューマーではすっかり大型モニターばかりなっているが、超コンパクトモニターもほしいところ

■ 会場で見かけたサードウェーブテクノロジーズ

まったくノーチェックだったのだが、サードウェーブテクノロジーズのブースがあった。展示していたものは、Free View Point。1点からの撮影データからであっても、3D自由視点映像を作り出せるというシステムだ。撮影点の追加は自由でカメラが増えるほど、明瞭な3Dデータに近づくといったもの。

これはユーザー体験を拡張するもので、モバイル機器向けとしている。たとえばサッカーであれば、好きな角度から状況を確認できるといったもので、Androidタブレットでのデモを確認できた。導入のしやすさがウリでもあるため、学校やイベント会場へのプッシュを考えているとのこと。なお、秋葉原・ドスパラ本店2Fでも11月29日から展示される予定とのこと。

Free View Pointのパネル。カメラ1台からOK
Free View Pointのパネル。カメラ1台からOK

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実機でのデモ。演奏しているシーンとなるが、自由に視点を変更できた。どこに誰がいるといった確認にも使えるものだ
実機でのデモ。演奏しているシーンとなるが、自由に視点を変更できた。どこに誰がいるといった確認にも使えるものだ

Adobeブースに展示されていたRaytrek SN-E K5。映像制作向けのPCだ
Adobeブースに展示されていたRaytrek SN-E K5。映像制作向けのPCだ

CPUはCore i7-5960Xを搭載している
CPUはCore i7-5960Xを搭載している

■ 思いっきり趣味で気になったもの

ここからは多々あるブースを散策している中で気になったものをチェックしていこう。ゴツい映像用機器ばかりなく、その周辺機器も多く、小便利そうな物が多くあった。とくに数が多く感じたのは、マルチコプターとスタビライザー。マルチコプターは、幅広い価格帯に存在するが、InterBeeで見かけたものは軽量カメラを搭載して飛べるものばかりで、ゴツいものが多かった。スタビライザーはGoProなどのウェアラブルカムやデジタル一眼レフを手持ちで使用する場合に使用するもの。フレーミング時でも滑らかに、ぶれることなく動かせるといったものだ。これも安いものから高いものまである。

GoPro/スマホ用のスタビライザー。HAND GIMBAL I SEE I(SHAPE)。持ちやすくかなり遊べそうなのは、下記動画でわかるハズ。価格は税込97,200円(税込)と高いのだが
GoPro/スマホ用のスタビライザー。HAND GIMBAL I SEE I(SHAPE)。持ちやすくかなり遊べそうなのは、下記動画でわかるハズ。価格は税込97,200円(税込)と高いのだが

https://www.youtube.com/watch?v=7hN5odFjRyg&feature=youtu.be
HAND GIMBAL I SEE I(SHAPE)の性能がわかる動画。手元のボタンでチルトにも対応する。

Orbit(COMODO)。メカニカルジンバル式スタビライザー。見た目はシンプルなのだが、安定っぷりは操作していて痛快だった
Orbit(COMODO)。メカニカルジンバル式スタビライザー。見た目はシンプルなのだが、安定っぷりは操作していて痛快だった

軽量のデジタル一眼レフを抱えて飛べるマルチコプターがめだった。ゴツくて大変よろしい
軽量のデジタル一眼レフを抱えて飛べるマルチコプターがめだった。ゴツくて大変よろしい

人によっては懐かしくも感じるMatrox。Matrox Monarch HDは、単体でH.264の録画と配信に対応するもの。コンシューマ向けではH.264キャプチャー製品が多く登場するようになったが、同時に配信できる製品の登場も近いのかも
人によっては懐かしくも感じるMatrox。Matrox Monarch HDは、単体でH.264の録画と配信に対応するもの。コンシューマ向けではH.264キャプチャー製品が多く登場するようになったが、同時に配信できる製品の登場も近いのかも

023

MINIMA 30。LEDライトだが複数の色を組み合わせることで色温度を変更できる。また調光にも対応しており、配光角60°なのもいい。またSONY NC Lバッテリー使用時、最大輝度で約2時間の動作というのも魅力的。色再現性も高かったので、かなりほしい。2014年11月時点の国内代理店は三友株式会社とのこと
MINIMA 30。LEDライトだが複数の色を組み合わせることで色温度を変更できる。また調光にも対応しており、配光角60°なのもいい。またSONY NC Lバッテリー使用時、最大輝度で約2時間の動作というのも魅力的。色再現性も高かったので、かなりほしい。2014年11月時点の国内代理店は三友株式会社とのこと

国産で見ると、パナソニック。Ra95のライトを展示していた。LEDシーリングライトを販売しているのもあり、手慣れたものといった印象。
国産で見ると、パナソニック。Ra95のライトを展示していた。LEDシーリングライトを販売しているのもあり、手慣れたものといった印象。

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Intensityシリーズ。安価なHDMIキャプチャーとして長く人気の製品だ。Blackmagic Designの名前を知る自作ファンも多いだろう。同社の製品は、映像業界内では低価格すぎるものばかりで、それでいて実用的であり愛用者も多い。それもあってかかなり巨大なブースを用意していた
Intensityシリーズ。安価なHDMIキャプチャーとして長く人気の製品だ。Blackmagic Designの名前を知る自作ファンも多いだろう。同社の製品は、映像業界内では低価格すぎるものばかりで、それでいて実用的であり愛用者も多い。それもあってかかなり巨大なブースを用意していた

最後にもっとも気になったというか、これでPCゲームをしてみたいディスプレイを紹介しよう。パナソニックの98インチ4KディスプレイTH-98LQ7Jだ。PC映像も高精細に表示可能。FPSがよく似合いそうだ
最後にもっとも気になったというか、これでPCゲームをしてみたいディスプレイを紹介しよう。パナソニックの98インチ4KディスプレイTH-98LQ7Jだ。PC映像も高精細に表示可能。FPSがよく似合いそうだ

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