水素・燃料電池展2015レポート:そろそろ燃料電池は身近になる?

2015年2月25〜27日にかけて、有明ビッグサイトにてFC EXPO 2015(国際水素・燃料電池展)が開催された。企業向けのイベントであり、一般向けの開放はないイベントだが、いずれはコンシューマにまで降りてくる製品や技術が展示されていた。同時開催として風力や太陽光発電、スマートグリッドなどのEXPOもあったが、今回はそろそろ身近になりそうな燃料電池関連をチェックしてみた。

燃料電池の歴史は、意外に古く原理自体は1801年まで遡る。ただ途中発展の断絶があり、再スタートとしては1955年。以降、ゆるやかに進化を遂げ、2015年現在では、一部交通網やエネファームなどの家庭用燃料電池が普及し、2月24日はトヨタが燃料電池車「ミライ」の本格生産を開始している。そうなると必要なのは水素ステーションになり、会場の各所には水素ステーションのデモ機が設置されていた。この数が増えていけば、ガソリン車の代替として認知されはじめるというわけだ。

HySUT(水素供給。利用技術研究組合)では、燃料電池自動車(FCV)のカットモデルの展示や試乗会などだけでなく、水素ステーションのモデルを展示していた。意外とFCVの実物を見たことがない人が多かったためか、モデル展示も試乗会も長蛇の列となっていた。

トヨタのFCV
トヨタのFCV

ホンダのFCV
ホンダのFCV

日産のFCVはカットモデルが展示されていた
日産のFCVはカットモデルが展示されていた

日産FCVの燃料stuckは前方座席下部にあるのも確認できた
日産FCVの燃料stuckは前方座席下部にあるのも確認できた

水素ステーション。ガソリンスタンドのそれと比べるとだいぶスリムだ
水素ステーション。ガソリンスタンドのそれと比べるとだいぶスリムだ

操作パネル。まず静電気除去をしてからアクセスという順番になる
操作パネル。まず静電気除去をしてからアクセスという順番になる

水素供給弁。感覚的にはガソリンの給油と同じ。ただし所用時間はかなり短縮される
水素供給弁。感覚的にはガソリンの給油と同じ。ただし所用時間はかなり短縮される

三菱日立パワーシステムでは高効率ハイブリッドシステムである「HYBRID-FC」のデモを行なっていた。天然ガスと都市ガス、LNGに対応し、天然ガス自動車とEV、FCV、熱供給に対応するマルチエネルギーステーションだ。1台で複数の用途に対応するため、都市部への配置を狙っており、上記のように水素と電気、熱を効率よく運用できるのを強みとしている。

1/20のHYBRID-FCモデル
1/20のHYBRID-FCモデル

HYBRID-FCのシステム概要
HYBRID-FCのシステム概要

搭載されるマイクロガスタービン
搭載されるマイクロガスタービン

燃料となるガスの運搬や供給は各社が強くアピールしていた。KAWASAKIでは海上輸送から陸上輸送までの一連の流れを紹介するとともに、発電出力30,120kW、発電効率40.1%のL30Aガスタービンのモデル展示も行なっていた。また太陽日酸では、自走式の水素ステーションのトレーラーの実物を展示。仕組みがわかりやすいのもあり、じっくりと見る人が多かったのも印象深い。

L30Aガスタービン
L30Aガスタービン

LNG運搬船のモデル。近未来的なシルエットだ
LNG運搬船のモデル。近未来的なシルエットだ

小型液化水素運搬船のモデル
小型液化水素運搬船のモデル

水素トレーラー。赤い物がタンク
水素トレーラー。赤い物がタンク

FCVを横付けして水素を供給する
FCVを横付けして水素を供給する

購入パネルはSuicaなどの電子マネーに近いインターフェイス。当然ながら最初に静電気除去を行なうアナウンスもある
購入パネルはSuicaなどの電子マネーに近いインターフェイス。当然ながら最初に静電気除去を行なうアナウンスもある

さて、燃料電池と切り離せない存在となっているのが水素漏れと熱の処理だ。これはYAMAHAが検出まで約1秒以内の「Hydrogen Leak Detector YHLD-100」を展示していた。説明員によると後発になるため、検出速度をとくに意識ししたという。既存の製品は検出までに2〜5秒かかるものが多く、それらからすると約1秒以内というのはかなりの強みだ。

Hydrogen Leak Detector YHLD-100のデモ。常時検出するため、1秒以内の遅延はあるもの、ほぼリアルタイムで状況を把握できる
Hydrogen Leak Detector YHLD-100のデモ。常時検出するため、1秒以内の遅延はあるもの、ほぼリアルタイムで状況を把握できる

Hydrogen Leak Detector YHLD-100のデータパネル
Hydrogen Leak Detector YHLD-100のデータパネル

SAIJOが展示していた薄板金属フィン。加工だけでなく敷設がしやすい製品
SAIJOが展示していた薄板金属フィン。加工だけでなく敷設がしやすい製品

よく見かけるクーラーの展示もあった。コンシューマー向け製品よりも放熱性能は高いという
よく見かけるクーラーの展示もあった。コンシューマー向け製品よりも放熱性能は高いという

いまは大変な状況にあるZALMANが好きそうな形状のクーラーもあった
いまは大変な状況にあるZALMANが好きそうな形状のクーラーもあった

さて、車両向けばかりを紹介してきたが、比較的身近になりそうな技術の展示もあった。燃料電池はキャニスターで供給可能なので、それが小型化されれば、ノートPCやモバイルバッテリのリチウムイオンバッテリの代替になる。すでにいくつかの燃料電池製品が登場しているが、いずれも燃料電池自体の入手経路の問題があり、それほど広まっていない。法的な問題もあるのだが、まだまだ先なのはたしかだ。

FC-R&Dで展示されていたマイクロキャニスター
FC-R&Dで展示されていたマイクロキャニスター

マイクロキャニスターを搭載したラジコンカー
マイクロキャニスターを搭載したラジコンカー

可搬型マルチ電源。だいぶゴツいのだが、現状の技術ではかなり小さくできてきるものだという
可搬型マルチ電源。だいぶゴツいのだが、現状の技術ではかなり小さくできてきるものだという

燃料電池電源バージョン。空いているスペースにマイクロキャニスターをセットする
燃料電池電源バージョン。空いているスペースにマイクロキャニスターをセットする

マイクロキャニスターを使用したモバイルバッテリも展示されていた。製品化されているようだが、価格の記載はなく、また国内流通もしていないものだ
マイクロキャニスターを使用したモバイルバッテリも展示されていた。製品化されているようだが、価格の記載はなく、また国内流通もしていないものだ

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