「第1回ウェアラブルEXPO」レポート(2)~ウェアラブルを支える技術を見る

先のレポートでは、すでに形になっているものを紹介してきた。いずれもセンサニングが可能になっており、そうなると必然的にウェアラブルデバイスに搭載されてるセンサーにも注目が集まる。第1回ということで、心拍センサーや加速度センサーといった細々したものは展示されていなかったが、衣類に搭載しやすいセンサーや耐水性能を向上させる技術などを確認できた。2回目ではそういった技術をチェックしていこう。

GUNZEでは、伸縮性のある導電性ニットと「筐体そのままタッチセンサー」を展示していた。導電性ニットは、伸縮可能になっており、下着や靴下への搭載が可能であるデモが行なわれていた。スポーツなど動きの激しいアクションにも対応することを重視しており、心拍数を計測できるシャツなどへの採用が期待できる。

次に「筐体そのままタッチセンサー」。これはプラスチック樹脂に直接電極を形成したもので、3次元形状に成型しても静電容量式タッチデバイスとして機能するというもの。先の導電性ニットとの併用も可能であり、より自然なウェアラブルデバイスの製作が可能なのだそうだ。

伸縮性を持つ導電性ニットのデモ
伸縮性を持つ導電性ニットのデモ

実際に導電性ニットを採用した下着。センサニングではなく、発熱させるだけといった運用もあるそうだ
実際に導電性ニットを採用した下着。センサニングではなく、発熱させるだけといった運用もあるそうだ

「筐体そのままタッチセンサー」。写真を見てもわかるように、成型の自由度が高いため、タッチ面に装飾を入れることもできる
「筐体そのままタッチセンサー」。写真を見てもわかるように、成型の自由度が高いため、タッチ面に装飾を入れることもできる

YAMAHAでは「薄型ストレッチャブル変位センサー」を展示していた。薄く、軽く、伸縮性があり、かつ加工しやすいというもので、ピアノを弾くデモで入力状況をリアルタイムモニタリングしていた。キーを押下した情報を得るだけでなく、伸縮した距離からどれくらいの力で押しているか、どれだけ押下したかもわかる。こういったセンサニングは加速度センサーでも実現可能だが、微細な動きまでを取得することはできないため、繊細な動きをキャプチャーする目的でみると「薄型ストレッチャブル変位センサー」のほうが優れている。

演奏しながら入力情報を表示するデモが行なわれていた。装着感は手袋に近く、運指への影響はほとんどないそうだ
演奏しながら入力情報を表示するデモが行なわれていた。装着感は手袋に近く、運指への影響はほとんどないそうだ

実際の入力データ。押下時にグラフが跳ね上がるといった具合
実際の入力データ。押下時にグラフが跳ね上がるといった具合

参考出展品のロコトレバンド。日本シグマックス製で「薄型ストレッチャブル変位センサー」を使用したもの。足首に装着して、かかと上げやスクワットなどの検出を実現している。脚関節の動きや足裏の接地検出などを実現していた。これも加速度センサーでは難しいゆっくりした動きの取得に対応
参考出展品のロコトレバンド。日本シグマックス製で「薄型ストレッチャブル変位センサー」を使用したもの。足首に装着して、かかと上げやスクワットなどの検出を実現している。脚関節の動きや足裏の接地検出などを実現していた。これも加速度センサーでは難しいゆっくりした動きの取得に対応

SIIではワイヤレス尿検知センサーシステムを展示していた。おむつ内にフレキシブル尿発電電池を搭載し、尿漏れ時にその発電電力で信号を送信する。至ってシンプルなものだが、介護や育児用としての採用を目指すという。個人的にはillusionがゲームに採用してくれないものかと期待している。

ワイヤレス尿検知センサーシステムのデモ機。センサーと発電素子はフィット感重視のようだ
ワイヤレス尿検知センサーシステムのデモ機。センサーと発電素子はフィット感重視のようだ

ワイヤレス尿検知センサーシステムの仕組み
ワイヤレス尿検知センサーシステムの仕組み

Plat'Homeでは極小サイズのゲートウェイを展示していた。Intel Edisonベースで、通信はBluetooth。オフィス向けのものだが、各種モジュールが充実すれば、一般家庭用としても登場する可能性がある。ただBluetoothの場合、飛距離の問題があるため、ローカルネットワークやWi-Sunへの対応を期待したいところだ。

極小ゲートウェイ OpenBlocks IoT BX1。モバイルも可能になっており、室外以外での運用も可能
極小ゲートウェイ OpenBlocks IoT BX1。モバイルも可能になっており、室外での運用も可能

Linuxベースで開発もしやすいとのこと
Linuxベースで開発もしやすいとのこと

H2Oでは、基板などを直接防水仕様にできるコーティング技術を展示していた。スタンドアロン型のウェアラブルデバイスを安価で防水機能を持たせることができるため、防水機構による弊害を回避できるのが特長だといえるだろう。コーティングは耐久性が高く、スマホを防水仕様にするデモも行なっていた。数年はまず剥がれないという。ただ端子部分はさすがにコーティングが剥がれてしまうため、後付けで完全防水とするのは難しい。H2Oとしてはスタンドアロン型のウェアラブルデバイスへの採用を狙っているようだ。

さて、このコーティング技術。自作PC方面で見れば水冷PCに対して効果的でもある。もしもの液漏れがあっても他のパーツへのダメージを軽減できるほか、BTOパソコンの場合でも、割と良くある水難事故でのクリティカルダメージを回避しやすくなる。まだそういった方面にはアプローチしていないそうなので、ドスパラからこのコーティング技術を採用したPCが登場してもいい気がするのだが。

デモ。水没してもOK
デモ。水没してもOK

コーティングされた基板は、コーティングされているのか一見分からないほど。放熱性も損なわれにくいという
コーティングされた基板は、コーティングされているのか一見分からないほど。放熱性も損なわれにくいという

iPhoneを分解して、コーティングしたデモ機。強化ガラスと液晶パネルの間の空気層に水が入り込んでしまっているが、それでも普通に動作していた。ディスプレイ周辺部のみ防水機構にすればよくなるため、これからのスマホにも採用されそうな気配もある
iPhoneを分解して、コーティングしたデモ機。強化ガラスと液晶パネルの間の空気層に水が入り込んでしまっているが、それでも普通に動作していた。ディスプレイ周辺部のみ防水機構にすればよくなるため、これからのスマホにも採用されそうな気配もある

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