ゲーム開発者がAcer製Mixed Realityゴーグルをレビュー、初期設定の手順も紹介

 2017年8月2日現在、Acer製のMixed Reality対応(HoloLens互換)ゴーグルは開発者向けキットの予約を受け付けている状態だ。楽天の販売ページでは8月28日に出荷開始予定となっている。当然これは日本国内の話で、海外では一足早く届き始めているようだ。7月29日、カナダの開発者であるShachar Weis氏は、自身のブログに手元に届いたキットのレビューを投稿した。内容を簡単に紹介しよう。

・Unboxing and first look at the new Microsoft “Mixed Reality” VR headset
https://callmevice.com/2017/07/29/unboxing-and-first-look-at-the-new-microsoft-mixed-reality-vr-headset/

 キットのパッケージは簡素で、ゴーグル本体と小さなペーパーが入っているだけ。外見は「300米ドルと実際に安いだけあり、見た目は安っぽい」としている。IPD(Interpupillary distance、瞳孔間距離)を調整するダイヤルやピント調節ダイヤルなどはないようだ。ケーブルはゴーグルから直接伸びており、長さは約3.3m。

 ヘッドストラップは額から後頭部に回すベルトになっており、HTCの「VIVE」などのような頭頂部を経由する部分はない。ただ、ゴーグル本体が380gと軽いため問題はないという。後頭部にはラッチがあり、側面のボタンを押し込むと固定が外れてスライドできる仕組みになっている。

 ゴーグル左の内側に3.5mmミニピンジャックがあり、ヘッドホンを接続できる。

 PCへのセットアップは簡単で、接続すると自動的にデバイスドライバーをダウンロードしてインストールする。インストール後は「Mixed Reality Portal」が起動し、プレイエリアを設定する。ゴーグルを腰の高さで持ち、実際に動いてトラッキングする範囲を決める。VIVE等と異なり、エリアはきれいな長方形にならなくてもOKのようだ。ただ、ケーブルで動ける範囲が限られているにも関わらず範囲が狭いとエラーになってしまうため、パソコンの位置を変えて何度かやり直したという。

 トラッキング精度は、外部機器を使う「outside-in」方式ほどではないものの、「inside-out」方式としては素晴らしいとShachar氏は評価している。

 テストでは、「Cliff House」という仮想空間の部屋でアプリの動作などを行った。ハンドジェスチャーは使えず、専用コントローラーも未発売のため、音声入力か(仮想空間内では見えない)キーボードとマウスを使って操作した。

 少し気になる記述が、「このヘッドセットは3Dスキャンやマッピングを行っていない。前面にあるのは動きを検知するためのセンサーであり、カメラではないと思われる」というものだ。実際、下記ページによるとAcerのゴーグルは「Spatial mapping」という技術に対応していない(ページ内の「Immersive headsets」がAcerとHPの互換ゴーグルを表している)。

・Spatial mapping
https://developer.microsoft.com/en-us/windows/mixed-reality/spatial_mapping#device_support

 Spatial mappingは空間情報を把握するための技術で、「HoloLens」が売りにしている「3Dモデルを机の上に置いて様々な方向から眺める」といった使い方に必須の機能だ。同技術に対応していないのであれば、センサーで位置トラッキングをしているのだろう、と推測したのだと思われる。

 ただ、たった2個のセンサーでinside-out方式の位置トラッキングが実現できるのかという疑問もある。ゴーグルの細かな仕様はまだ公開されていないため、Shachar氏も「実際のところ、これが何なのかは正確には分からない」としている。

 いずれにせよ、現時点では現実世界にCGを重ねるといった使い方はできていないようだ。この結果から、同氏は「これはVRゴーグルであり、それ以上でもそれ以下でもない」としている。正確な仕様についてはメーカーからの正式な発表を待つ必要があるが、HoloLensゴーグルと近いことができると期待していた人には肩透かしとなったのではないだろうか。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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