次世代「HoloLens」はAI用のカスタムチップを搭載、Microsoftがイベントで発表

 次世代の「HoloLens」はセンサー類の制御のためにAI用カスタムチップを搭載するようだ。海外ニュースサイトの「Road to VR」が報じた。

・HoloLens 2.0 to Put a Custom A.I. Chip at the Heart of Its On-board Processor
https://www.roadtovr.com/hololens-2-0-put-custom-chip-heart-board-processor/

 これはコンピュータービジョンに関するカンファレンス「Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR) 2017」のステージで、Microsoft副社長のHarry Shum氏が発表したもの。同社の研究部門であるMicrosoft Researchは、これを受けて公式ブログで記事を公開した。

・Second version of HoloLens HPU will incorporate AI coprocessor for implementing DNNs
https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/second-version-hololens-hpu-will-incorporate-ai-coprocessor-implementing-dnns/

 コンピューターが物や空間を認識する能力は、「Deep Neural Networks(DNNs)」とそれを用いたディープラーニングによって精度を高めてきた。しかしディープラーニングは、膨大なデータを必要とする、CPUなどの汎用プロセッサーでの処理は効率が悪いという2つの課題があった。そこで、多くの場合はクラウドコンピューティングを利用するというアプローチで解決してきた。

 これをHoloLensに当てはめると、ディープラーニングの利用は有効だが独立して動くというHoloLensの特性と合わない。そこで、AI(ディープラーニング)に最適化したカスタムチップを開発することにした。

 これまでもディープラーニング用のプロセッサーはあったが、モバイル機器向けに設計されたものはなかったという。

 HoloLensはセンサーやカメラの情報を管理する「Holographic Processing Unit(HPU)」というチップを搭載している。AI用のチップはHPUのコプロセッサーとして実装される。

 CVPR 2017のステージでは、AI用チップを搭載したPCを現行のHoloLensにつなぎ、3種類の複雑なハンドトラッキングモデルを同時に実行するというデモを行った。チップを搭載することで、HoloLensがセンサーやカメラから得た情報をより高速に、高い精度で処理できるということのようだ。

 AIと聞くと同社の「Cortana」のような対話可能なアシスタントを連想してしまいそうになるが、今回のチップはあくまでディープラーニングに最適化したコプロセッサーだ。製品を扱う上では意識しない部分かもしれないが、これにより次世代のHoloLensでは空間認識やハンドジェスチャー認識の精度が高まることが期待される。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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