OculusがVRゲームの360度動画を作れる新しい開発者向けキットを発表

 VRは仮想世界を360度見回せるのが特徴だ。VRゴーグルを装着すると現実世界がまったく見えなくなり、とても高い没入感が得られる。

 しかしその性質上、自分の体験しているものを他人に伝えるのはとても難しい。動画で記録しても、一般的な一人称視点のゲームと同じような見た目になってしまう。そこでOculusを傘下に持つFacebookは、VRの世界を360度動画で記録する方法を開発した。

 Oculusはこの技術を紹介する動画をYouTubeに公開している。

 これはFacebookが2017年4月18、19日に開催した開発者向けイベント「Facebook Developer Conference F8」で発表した技術だ。発表の模様は、イベントの特設サイトで動画が公開されている。発表は英語で字幕もないが、9分過ぎから始まる技術解説は映像だけでも概要は理解できるだろう。

・360 Capture SDK: Making VR Social Through Immersive Media Capture
https://developers.facebook.com/videos/f8-2017/360-capture-sdk-making-vr-social-through-immersive-media-capture/

 Facebookは言わずと知れた大手SNSだ。体験をシェアするということをテーマに機能拡張を続けている。文章に始まって、音声、画像、動画と続き、最近は360度動画も投稿できるようになった。そこで次のステップはVR体験の共有というわけだ。

 しかし、問題は360度動画を録画する際の処理の重さだ。通常の360度カメラは撮影、画像の位置合わせと合成、エンコードというステップを踏む。画像の位置合わせはそれぞれの画像の重なっている部分を解析し、つながって見えるように合成する、という処理だ。

 とても負荷が大きいため、そもそもがとても高性能なPCを要求するVRで、VR体験のパフォーマンスを落とさずに処理するのは難しい。より高性能なPCを使えば実現できるかもしれないが、「誰でも使える」という点を重視するFacebookは採用しなかった。

 そこで目をつけたのがキューブマップ方式だ。キューブマップは立方体の中心からの視点を表現する方法。6面にそれぞれの方向の画像、映像を映す方法で、一般的には視聴時に合成して360度画像、動画にする。

 この方式なら6方向を正方形の形でキャプチャーするだけでよく、位置合わせと合成は不要になる。

 今回の技術ではエンコード時に一般的な正距円筒図法に変換する。負荷の高い工程をスキップできるため、より簡単にVR空間を録画可能になった。

 この技術を使えば、VRゲームのデモ動画も作りやすくなるだろう。現在はSDK(開発者向けキット)として提供されるため、エンドユーザーが使えるようになるにはまだ時間がかかる。しかしVR体験の共有というテーマでは大きな前進と言えるのではないだろうか。

 SDKは以下のWebページからダウンロード可能だ。

https://github.com/facebook/360-Capture-SDK

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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