VIVEを使ったモーションキャプチャーが開発中、IKinemaの「project Orion」

 3Dのキャラクターを自然に動かすのは難しい。そこで、一部の3Dゲームは実際の人の動き取り込む「モーションキャプチャー」を利用している。重心移動や予備動作など、細かな動作を再現できるのがメリットだ。しかし、大掛かりな装置が必要となる。

 モーションキャプチャーを手がける英IKinemaが、より安価で手軽なキャプチャー技術を開発していると海外ニュースサイト「Road to VR」が報じた。同社はこの開発計画を「project Orion」と呼んでいる。

・Watch: IKinema’s HTC Vive Powered Full Body Motion Capture System is Impressive
http://www.roadtovr.com/ikinema-project-orion-shows-impressive-motion-capture-just-6-htc-vive-trackers/

 project OrionはHTCの「VIVE」のシステムを使う。同社がYouTubeで公開した動画では、ゴーグル、3個のVIVE付属コントローラー、2個のTrackerを利用していた(動画の説明文ではコントローラーとTrackerを3個ずつとなっている)。動作を検知するためのセンサーは頭部、腰、両手、両足に取り付ける。全身のモーションキャプチャーがたった6個のセンサーでできるということだ。

・IKinema project Orion, full body mocap from 6 HTC-Vive Trackers

 興味深いのは、肘や膝にはセンサーが無いにも関わらず、仮想世界のキャラクターが同じ姿勢を取っていることだ。動画では腕立て伏せをしたり足場に腰をかけているシーンがあり、情報がないはずの体の位置も再現できているのが分かる。Road to VRは逆運動学によるシミュレートではないかと推測している。

 運動学、逆運動学はロボット工学などで使われる考え方だ。関節の動きなどから末端の位置を計算することを運動学、末端の位置から関節の動きなどを計算することを逆運動学という。project Orionでは人体の関節の可動範囲を設定しておき、手や足の位置関係から逆算して間にある部位を動かしているのだろう。本格的なモーションキャプチャーのシステムと較べるとセンサーの数は少ないものの、精度はかなり高いのが見て取れる。

 この技術がどのように使われるのか、同社は公表していない。モーションキャプチャーと言うと開発者向けの技術というイメージがあるが、リアルタイムで体の動きを反映させられるということは、ユーザーの入力インターフェイスとしても使えそうだ。先日紹介したCloudGate Studioの実験も近いコンセプトと言える。今後、全身で仮想世界に入り込むタイプのゲームが増えていくのかもしれない。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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