デジハリ制作の期間限定コンテンツ「AUTUMN MAGIC」と「マッチョと豆の木」がVRパラダイスに登場

 デジタルハリウッド大学院大学の学生が制作した作品がVRパラダイスに登場した。2月5日(日)までの期間限定で体験できる。体験できるのはVR空間を使ったパズルゲーム「AUTUMN MAGIC」と、2人で協力して落ちてくるアイテムを拾っていく「マッチョと豆の木」だ。

 「AUTUMN MAGIC」は、パズルのピースを正しい色のリングに投げることでパズルを完成させるゲームだ。正面にはピースが欠けたパズルのイラストが置いてあり、ピースが欠けた空間にはそれぞれ色がついている。この色と同じリングがプレイヤーの周辺に浮かんでいるので、欠けたピースの空間にある色と同じ色のリングに正しいパズルのピースを投げ込めばイラストが完成していく仕組みだ。ステージが進むと時間とともに大きさが変わるリングや、移動するものなどバリエーションが増えていく。チュートリアルを含めて全4ステージが用意されている。

 パズルで使われるイラストを含め非常に完成度が高く、そのまま商用レベルで通用しそうな印象であったが、実際この作品は将来的にSteamでの配信を考えているそうだ。現時点ではリングの位置などはすべて固定で毎回同じ位置に出現するが、これをランダム位置にしたり、ステージ数を増やしていくことでボリュームを増やし、有料コンテンツとして提供したいという。

チュートリアルを含め全4ステージで構成されている

全ステージをクリアするとクリアしたパズルのイラストとクリア時間に応じた称号が表示される

 「マッチョと豆の木」も、ユニークな発想で作られたゲームだ。ゲームがスタートするとプレイヤーは“マッチョ”な巨人のお腹の上に乗っており、どんどん上昇していく。巨人のお腹の上でアイテムを拾ったりしながらゴールを目指すのが最終目標だ。

 このゲームの最大の特徴は2セットのVIVEを使って、2人のプレイヤーがVR空間内で協力プレイができること。ゲーム内では2人のプレイヤーが握る4つのコントローラーを起点とした四角いライン作られ、上空から降ってくるアイテムをうまくラインの中でキャッチしながらゴールを目指す。コントローラーを動かすと四角形も動くので、落ちてくるアイテムに合わせながら息の合ったプレイが必要だ。落ちてくるのは栗とバナナの2種類。栗を拾うと巨人が喜び上昇速度が上がっていく。逆にバナナを拾うと速度がさがる。ゲームには制限時間があるのでクリアするためにはうまく栗だけを拾って上昇速度を上げていく必要がある。

 プレイヤーはマッチョな巨人とともにぐんぐん上空に昇っていく。一応近くに豆の木(?)っぽい大木もあるが、あまりゲーム内容には関係ないし、プレイヤーの頭がなぜか馬だったりするなど突っ込みどころは満載だ。スタート地点のビル街を抜けて最後は宇宙まで上っていくというシュールな世界観も見所なので、アイテムを拾うだけでなく、ぜひ周りの光景にも注目してほしい。

巨大な巨人のお腹の上で空に上っていくというユニークなゲーム

馬の頭がもう一人のプレイヤーがいる場所だ

栗をキャッチすると紅葉が散るエフェクトが

豆の木のあるビル街から上昇を初めて宇宙まで到達する

2セットのVIVEを使ってプレイする点も珍しい

・学生が3カ月という短期間で制作

 今回のコンテンツはデジタルハリウッド大学大学院准教授である新 清士氏の研究室に所属する学生らによるオリジナル作品だ。学生達はおよそ3カ月間という限られた時間の間にVRゲームの企画からプログラミングまですべての行程を行い作品を作り上げる。限られた時間でプロジェクトを実施することで、実務に近い体験を経験することが狙いだ。

左からデジタルハリウッド大学院 茂出木 謙太郎氏、「マッチョと豆の木」制作チームの福島 歩氏、「AUTUMN MAGIC」制作チームの山崎雅俊氏、デジタルハリウッド大学院 准教授でフリージャーナリストの新 清士氏

 「AUTUMN MAGIC」のディレクションを担当したデジタルハリウッド大学院大学の山崎雅俊氏に、今回最も苦労した点を聞いた。山崎氏は「AUTUMN MAGICははじめ、地面に置いたパズルにピースを当てはめていくだけのシンプルなゲームでした。しかし、これを学内の学生にユーザーテストをしてもらった結果、「つまらない」「作業感がある」などの厳しい評価を受けました」。実のところユーザ-テストの前までは完成度にかなりの自信があったという。しかしそれが実際にプレイヤーの感想を聞くともろくも崩れ去ってしまった。

 そこで山崎氏らのチームが悩んでいたところ、プレイ中にコントローラーで「投げる」ようなモーションをしながらプレイする人がいたのに注目し、「パズルのピースを投げて組み立てるのはどうだろう」と思いつき、現在の形になったという。

 山崎氏は、「ユーザーテストをやってよかったです。ゲームとしてのクオリティも高めることができました」と自分たちだけで考えたものを他人に評価してもうらうことの重要性を学んだという。限られた時間のなかでこうした試行錯誤を重ねながら開発の実体験をするのは、学生達にとって貴重な体験となったようだ。

 VRコンテンツというと、ゲーム以外にも様々なコンテンツへの応用が増え始めているが、山崎氏は今後もゲームの制作を続けていきたいという。次回作はまだ決まってはいないが、次はオリジナルのギミックを組み込んださらにチャレンジングなゲームを作りたいということだ。また、個人的にはストーリーテリングに興味がありVRアニメーション+ゲーム要素が融合したようなものも作ってみたいという。

 研究室の責任者である新 清士氏は、学生達の成果として「完成度の高いものが短期間でよくできたと思います」とその完成度に満足しているそうだ。3カ月という短い制作期間で「AUTUMN MAGIC」は3名、「マッチョと豆の木」は4名のスタッフにより制作されている。

 新氏はVRコンテンツについて「まだまだわからないことが多いです。最初のパズルのギミックは面白くありませんでしたが、それも実際にやってみないとわからない」と、実際に体験することの重要性を指摘した。また切実な問題点として、「機材が高額なため、学生が自宅で環境を整えるにはまだまだハードルが高いです」としながらも、「今のうちに経験を積み、VR技術を習得していくことは将来必ず有利に働きます」と、こうした状況だからこそチャンスがある、という見解を示した。

 現在VRパラダイスでは2月5日までの期間限定での体験となるが同研究室では今後もVRコンテンツ開発を続けていくということなので、新たな作品の登場にも期待したい。

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