「Vive」無線化キットのレビューが海外ニュースに登場、試作機ながら動作は快適

 2016年11月に、中国のHTCのWebサイトで「Vive」を無線化するキットの予約が開始されたことを覚えているだろうか。海外のニュースサイト「UploadVR」が、開発元であるTPCASTの協力を得て、そのレビューを掲載している。明らかになっていない仕様や、製品版では変更が予定されている点もあるが、参考になるだろう。レビューの内容を紹介する。

・Hands-on: TPCAST’s Wireless Vive Kit Really Works
http://uploadvr.com/tpcast-wireless-vive-kit-works/

 キットの内容は、ゴーグルに取り付けるアダプタ、バッテリパック、ゴーグルに映像を送るトランスミッター、動きなどの情報をやり取りするPC用ルーターで構成されている。テストで使用したバッテリパックは予約の際にアナウンスしていた大容量版。動きの情報をやり取りするルーターはドングル(大きめのUSBメモリー程度と思われる)になる予定だという。

 上からの写真では、頭頂部にアダプターを配置し、ゴーグルと3本のケーブルでつながっているのが見える。右に見切れているのはバッテリパックと接続するケーブルだ。バッテリパックはゴーグルの後ろに取り付けるか、ズボンのポケットなどに入れる。動作時間の公称値は5時間で、テストでもおおむねその時間動作したとしている。ちなみに、小容量のバッテリパックの公称値は2時間だ。

 映像用のトランスミッターは1個なので、置き場所は重要だ。信号を送信する角度は160度。Viveのセンサーユニット「Lighthouse」の近くでもよいが、最良の配置はエリアの中央の天井だとしている。

 テストでは、数百時間はViveを使っているという筆者のAZ BALABANIAN氏が「ケーブルでつないだ環境とまったく違いを感じなかった」としている。VRを快適な環境にするには、全体の遅延を20ms以下に抑えるのが目安とされる。無線化しても、AZ氏は「20msよりずっと低く抑えられていると感じた」という。

 どんな状況でも正しく動作するのかを検証するため、AZ氏は体操選手に依頼してバック転や倒立など、通常はしない動きまで試した。それでもViveの映像が遅れたり乱れたりすることはなかったようだ。

 1点AZ氏が気になったのは、ポケットに入れた大容量バッテリ。これがゴーグルとケーブルでつながっているため、体験中に何かが触れているような感覚があったという。ただし再現性はなく、体験全体の中では些細なことだとしている。

 無線化キットは2017年第1四半期に中国で発売予定。今回紹介したレビューを行った米国では、無線技術を使うためFCC(連邦通信委員会)の認証を受けている最中で、「2017年中」としか決まっていないようだ。日本でも販売するには技術基準適合証明、いわゆる技適を取得する必要があり、国内に入ってくるとしてもまだ時間がかかるだろう。しかし、試作機の段階で熟練のレビュアーが満足するレベルの動作をしている点は期待が持てる。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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