「Steam VR」はオープン化を目指す。Mac OS XやLinuxのサポートも追加予定

 VRの普及に必要なものは何か。明確な答えは無いが、VR向けプラットフォーム「Steam VR」を運営するValveは「オープン化」と考えており、WindowsだけでなくMac OS XやLinuxにも環境を拡張するつもりのようだ。ニュースサイトの「Road to VR」が報じた。

・SteamVR to Get Linux and Mac OSX Support Within “a Few Months”
http://www.roadtovr.com/steamvr-to-get-linux-and-mac-osx-support-in-a-few-months/

 10月12~13日にValveは開発者向けイベント「Steam Dev Days」を開催した。そこで同社のJoe Ludwig氏が講演した内容にその考えが見られる。同氏の講演内容を簡単に紹介する。

 Joe氏はハードウェアとソフトウェアは互いに独立しているべきだとした。例として、PCとインターネットを挙げた。両者は個別に開発され、しかし相互に接続できるという環境で急速に発展した。これは両者を接続する際に何の認証も必要なかったからだ(利便性や安全性を向上させるための認証や認証団体はある)。このような自由な環境が発展の原動力となったという。無料で自由に使えるプラットフォームには人が集まり、人が集まれば革新が進む。つまり、オープンプラットフォームは技術革新を生む土壌になると語った。

 VRをオープンにするため、同社は「Lighthouse」をオープンプラットフォーム化した。LighthouseはHTCの「Vive」のセンサーユニット「Base Station」が採用しているトラッキング技術だ。対応製品の開発や販売にValveの許可を得る必要がなく、ライセンス料も発生しない。これは、サードパーティーがBase Station内で使うデバイスを自由に開発できることを意味する。

 同社が2012年にVRゴーグルの開発に着手した際、トラッキングがVR環境において大きな「穴」になっていると感じたという。当時は傾きを検知するセンサーはあったが、位置情報を検知できるシステムが無く、高価な機材と自作のソフトで作るしかなかった。そこでLighthouseをオープン化することで、サードパーティーにVR用デバイスの開発をしやすくしたという。8月にオープン化し、既に300以上の企業や団体が参加を表明しているという。そのうちいくつかは2017年に製品化される予定だ。

 Joe氏はVR用の入力デバイスについて「我々自身もこれが良いと思うアイデアを持っているが、他社の製品によってそれが否定されるのを歓迎する」と語った。同社の姿勢がよく分かる言葉だ。

 こうした多様化の一つとして、Joe氏は最後にOSのサポートにも触れた。現在はVRの開発環境はほとんどがWindowsだ。同社はSteam VRのMac OS XとLinuxへのサポートを進めており、数ヶ月の内に提供すると紹介した。

 開発者向けの講演なのであまりピンと来ない話かもしれない。しかし、2017年にはLighthouseを利用したVR用デバイスが多く登場することが見込まれ、よりVRの世界に入り込めるようになるとなれば期待できる話ではないだろうか。

 講演は以下のページで視聴できる。

・Philosophy of VR
https://www.youtube.com/watch?v=plRjxIclou8

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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