今後は「VRカフェ」が身近になる? Valveが新しいライセンス形態を発表

 ゲーム等のダウンロード販売サイト「Steam」を手掛けるValveが、新しいライセンス形態「site license」を発表した。これは特定の(物理的な)場所で、Steam上のソフトを不特定多数の人に利用させられるようにするためのライセンスだ。

 おそらく、これだけでピンと来る人はほぼいないだろう。site licenseはイベント会場やインターネットカフェといった場所での利用を想定している。なぜこのライセンスが必要になるかと言うと、Steamのアカウントは本来一人のユーザーが非商用(ビジネスやプロモーションで使わないこと)で使うことが前提になっているからだ。元々がゲームのダウンロード販売サイトなのだから当然だ。

 しかしこの個人向けライセンスでは、イベント等で不特定多数を対象にした利用はできない。そこで新しいライセンス形態が必要になっていた。site licenseを利用すると、不特定多数が利用可能な状態にしてもよいことになり、活用の幅が広がる。もちろんオンラインで公開してよいということではなく、「physical site(物理的な敷地)」と限定している。

 このラインセンスに関しては海外のVRニュースサイト「Road to VR」でも紹介しており、VRを体験する機会が増えることを期待している。

・Valve Move to Kickstart the VR Cybercafe with New SteamVR Licensing Model
http://www.roadtovr.com/valve-move-to-kickstart-vr-cybercafe-with-new-steamvr-licensing-model/

 VRはまだ発展途上の段階にあり、今後より浸透していくには多くの人に体験してもらう必要がある。しかし、それには2つの問題がある。1つはVRを体験するための機材が高価なこと。新しいグラフィックスチップの登場により推奨PCの価格は下がってきているものの、VRゴーグルを含めると抑えても20万円台半ばには達してしまう。もう1つはルームスケールを体験する場所(最低2×1.5m)を確保するのが難しいことだ。一つの部屋をVR専用にするのが理想だが、現実的には厳しいだろう。

 ユーザーが増えなければ発展を続けるのは難しい。そしてVRは体験していない人に素晴らしさを伝えるのは難しい。ゲームセンターやインターネットカフェのような感覚でVRが体験できる「VRカフェ」ができれば、VRを体験する人が増えるのは間違いないだろう。そのためのsite licenseだ。

 ゲームセンターなどを例にあげたことから分かるように、このライセンスでは商用利用が認められている。現在はいくつかのソフトが無料で使えるタイトルとして登録されている。もちろん全てのソフト、ゲームが商用で使えるわけではなく、商用利用のための支払いを管理する「Paid Site Subscriptions」というプログラムも用意している。

 各タイトルの使用要件が明確になることで、VRカフェを主催する人も手続きが進めやすくなるだろう。今後、VRを体験できる場がより増えることを期待したい。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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