サードパーティ製のHoloLens互換ゴーグルは製品間でスペックが違う? 12月のイベントで詳細発表か

 2016年11月1日、日本マイクロソフトは「Microsoft HoloLens」の開発者向けキットについて、国内で予約受け付けを開始すると発表した。ただ、あくまで開発者向けキットであり、エンドユーザー向けの製品ではない。未だ不明な部分も多く、気になっている人は多いだろう。

 これについて参考になるインタビューをVox Mediaの運営するニュースサイト「Polygon」が10月27日に掲載している。インタビュー先はHoloLensの開発チームを率いるAlex Kipman氏。

Microsoft's headsets aim to lower the barrier of entry for mixed reality

 インタビューではHoloLensの今後の展開について語られた。まず、HoloLensのハードウェアはマイクロソフトのみが提供するのではないということだ。パートナー企業がHoloLens互換ゴーグルを販売する。これは6月の「Computex Taipei 2016」で語られたことで、10月26日のマイクロソフトの発表会では最初のパートナー企業が明かされた(冒頭の写真)。いずれもPCのグローバル企業だ。同時に299米ドルから、という価格も発表したため印象に残っている人も多いだろう。HTCの「Vive」やOculusの「Rift」が10万円前後ということを考慮すると、安過ぎると思った人もいるはずだ。

 Alex氏はここでも気になることを語っている。「ソリティアとHaloでは遊ぶ環境に違いがある」というものだ。つまり、求める体験や遊びたいゲームタイトルによって異なる環境を用意するということ、さらに言うと、ゴーグル、PC双方にグレードを設けると解釈できる。ハイエンドの体験には高価な環境、それほどスペックを要求しない体験には安価な環境が使える。HoloLensは500米ドルのPCでも利用できるとした。同氏は「ViveやRiftに対応したゲームはどれを選んでも1500米ドルクラスのPCが必要になる」と語っており、最低スペックを引き下げることでより多くの人に利用してもらえるようにしたいという目的のようだ。ただ、これにはゴーグルを買ったのに思ったような体験ができない人が出るという恐れもある。Polygonは「マイクロソフトはこれに引き続き取り組んでいる」と述べている。

 マイクロソフト製のHoloLensは製品群の中でもハイエンドとして位置付けるとしている。このことからもサードパーティ製のHoloLens互換ゴーグルはスペックを抑えた製品であることがうかがえる。同氏はもう少し詳しい内容が12月に中国の北京で開催される「WinHEC」で明かされる、と語った。現時点で明かせる内容として、第一世代のゴーグルはレンズ部分がシースルーではないこと、広い視野角を備えること、ケーブルでPCとつながること、外部センサーなしでトラッキングできるということが上げられた。

 Alex氏はVRの開発環境が主だったゴーグルのメーカーによって異なっている事態にも言及した。今後は一つの開発環境に収束していく必要があるとしている。

 当たり前ではあるが、HoloLensなら低スペックのPCでViveやRiftと同じことができるということは無いだろう。299米ドルという価格も、最低限の体験ができるという意味なら納得できる。現時点でマイクロソフトが公表しているHoloLensの開発キットと同等のものを期待すると肩透かしを食う可能性が高い。

 マイクロソフトという強力なプレーヤーが本格的に参入し、VR、MR(Mixed Reality)の環境の進化は加速すると思われる。今年はVRの認知度が一気に進んだ。しかしAlex氏の言う通りプラットフォームが分散しており、ユーザーがどれを選べばいいのか分かりにくい。来年は各プラットフォームの主導権争いが進むだろう。環境を整えたユーザーが皆同じ体験ができることを優先したViveとRiftか、予算に応じて必要な環境を用意するHoloLensか、どれがPC用VRのスタンダードになるのか目が離せない展開が続くことは間違いない。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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