無限に歩ける通路にトランポリンジャンプ、お漏らし体験まで様々なVR体験ができる「DCEXPO2016」開催中

株式会社Nextremer社による人工知能対話エンジン搭載「AI-Saurai」

 コンテンツ技術をテーマとした国際イベント「デジタルコンテンツEXPO(DCEXPO2016)」がお台場にある日本科学未来館で10月27日~30日までの日程で始まった。DCEXPOは経済産業省と一般社団法人デジタルコンテンツ協会が主催するイベントで、デジタルコンテンツ分野で活躍する研究者や企業関係者たちが参加する。入場は無料。

 ここではバーチャルリアリティ(VR)技術を中心にした先端技術展示を簡単にご紹介する。

■VR空間で銃を撃ちまくる「PROJECT ALICE」

 Noitom社は「PROJECT ALICE」と題したB2Bを想定したVRデモを行っていた。大規模かつ複数ユーザーでオブジェクト・インタラクションができるシステムで、今回のDC EXPOではマーカー付きコントロラーを使うシューティングゲームを体験できた。コントローラーの銃は二丁拳銃で撃つこともできるが、けっこう重たく、夢中でやったあとは筋肉痛になる。

コントローラーの銃。自分で組み立てて使い分ける

■トランポリンで風船を割れ!「オムニジャンプ」

 株式会社ハシラスの「オムニジャンプ」は、トランポリンとゴム、そしてHMDを使ったVR体験。HMDをつけて、ゴムとトランポリンの力を借りてその場でぴょんぴょん飛ぶと、進行方向に向かってジャンプし、HMDのなかに提示された風船を悪ることができるというゲームだ。

 福祉スポーツに役立てようとしているとのことだが、トランポリン自体をあまり体験したことがなく、うっかりすると足が浮き上がってしまいそうな強力なゴムの組み合わせはけっこう怖いし、疲れる。だが楽しい体験ではあった。

足の裏と上半身にゴムを通して上に引っ張られる

■バーチャルおもらし体験ができる失禁体験装置

 電気通信大学 ロボメカ工房VR部隊失禁研究会は「失禁体験装置」を出展している。腹部に圧迫感、首には振動と冷感、そして局部に近い部分などに42度程度のお湯を満たせる水袋や振動を使って、まるで「失禁(服を着た状態での排尿)」してしまったかのような感覚を提示するというものだ。

 お湯の温度が体温より高いのは、服の上から着用して体験することを想定しているからだ。振動は排尿時の尿道の振動を再現したものだという。

 実際に体験してみると、大量に「やってしまった」かのような感覚が味わえた。

■無限に歩ける「Unlimited Corridor」

 東京大学大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室と、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社は、「Unlimited Corridor」を出展。HMDをつけて、片手を壁につけて半径3mの円形の回廊を歩くのだが、主観的には真っ直ぐの直線的通路で構成された空間を歩いているかのように感じてしまう、「リダイレクテッド・ウォーキング」という錯覚を利用した体験だ。

 客観的には、つまり外から見ていると円形の空間を歩いているだけなのだが、主観的には真っ直ぐな通路を歩いているかのように感じるのである。体験してもらえないとなかなかわからない感覚だ。

 今回のデモでは、女性が空へ飛ばしてしまった風船を取りに、地上200mの高層ビルの足場へ登って、それを取りに行く、というもの。以前、東京大学で行われた体験会のコンテンツよりも通路幅が狭くなり、また、通路のエッジを物理的に提示するパイプが床上に追加された。VR空間内で示される、高所での足場の端っこにあたる。VRコンテンツで無限に広い空間を体験させることができる可能性を持つ技術である。

今回は通路のエッジを示すパイプが追加された

■カエルに合わせて弾けるのが楽しい「HapTONE」

 電気通信大学 情報理工学研究科 情報学専攻 梶本研究室による「HapTONE」は、キーボードを打鍵したときの感覚を変えることで、様々な楽器を弾いたときの感覚を表現しようとする触覚提示インターフェイスだ。たとえば木琴と鉄琴、バイオリンやギターなどを模擬することができる。キーボードには楽器がプロジェクションされる。触覚提示にはキーボードのなかの振動子と、打鍵の状態を計測する距離センサーを使っている。

 楽器だけではなく、ぴょんぴょんと跳ねるカエルのアニメに合わせて弾くと、「カエルの歌」が演奏できる。見た目以上に楽しいアプリケーションだった。このような学習支援などのほか、ゲームなどの触覚提示機能付きコントローラとしても応用できるという。

「カエルの歌」も楽しく演奏できる

■映像の上をロボがわらわらと動く「フィジタルフィールド」

 東京大学 苗村研究室の「フィジタルフィールド(Phygital Field)」は、小型の群ロボットと空間分割型可視光通信(PVLC)を組み合わせた実世界指向コンテンツ。Phygitalは「Physical」と「Digital」を組み合わせた言葉。プロジェクタで投影される映像に、座標情報などが含まれており、それに合わせてロボットが動く。そのため、人がロボットの動きを邪魔しても動き続けることができる。

 映像に加えて、リアルなロボットを組み合わせたコンテンツ表現が可能になるため、ゲームや教材に利用出来る可能性がある。

■タブレット上で動かす小型ロボット「TABO」

 touch.plus / 株式会社バスキュール / プログレステクノロジーズ株式会社の「TABO(ターボ)」は、タブレットの上で動かす小型ロボット。Bluetoothを使って接続されたロボットが、タブレット上のコンテンツと同期して動く。

プログラムの基本を楽しみながら学べる

 今回は子供向けのプログラムコンテンツ「ワオっち!」と連動する例を展示していた。ブロックを組み合わせるだけで、簡易なプログラムを行うものだ。プログラムの実行結果を、タブレット上だけではなく、実際のロボットの動きで見ることができる。

■拡張現実リアルタイム戦略ボードゲーム「CODE HORIZON」

 株式会社ミラの「CODE HORIZON」は、自律型ロボットを用いたリアルタイム戦略ゲームシステム。プレイヤーは物理的なロボットである3体の「ヴァルキリーローバー(VRO)」と、スマートフォン上の専用アプリのバーチャルな歩兵部隊「マーシナリー」を陣に配置して、敵と戦う。

小型ロボット「ヴァルキリーローバー(VRO)」を並べて遊ぶ

 残念ながら、取材当日は実動しておらず、体験できなかった。

■実用化されたデバイスの体験も可能

 このほか、PSVRやFOVEなど、実用化されているデバイスの体験もできた。

 無料でまだ開発中の様々なコンテンツを楽しむことができるので、土日は混むかもしれないが、足を運んでみてはいかだがろうか。

Reported by 森山和道

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