VRで「物をつかむ」ためのコントローラー「ウルヴァリン」をスタンフォード大学が開発

 2016年10月16~19日、コンピュータ科学の国際学会「ACM(Association for Computing Machinery)」の主催するシンポジウム「UIST(User Interface Software and Technology)2016」が開催された。そこで米スタンフォード大学のSHAPE研究所がVR向けのコントローラー「Wolverine(ウルヴァリン)」を発表した。

 先日はMicrosoft Researchの「触れる」コントローラーを紹介したが、こちらは固いものを「掴める」コントローラーだ。VR空間にあるマグカップをつかみ、別の場所に移すといったことがよりリアルに体感できる。

 Wolverineは親指にベース部、人差し指、中指、薬指にスライディングマウントを付ける。各マウントとベースはロッドでつながっている。マウントは通常時は抵抗なくスライドするが、ものをつかんだと判定するとブレーキがかかり、触覚にフィードバックする。手を開くとブレーキは解除される。モーターはブレーキをかける時だけ動作し、一度作動すると手を開くまで電力を消費せずに保持できるという。

 本体にはセンサーが内蔵されており、各指の動きと手の傾きを検知する。

 研究室による紹介動画はこちらだ。
・Wolverine: A Wearable Haptic Interface for Grasping in Virtual Reality

 面白い点は、Wolverineが軽く、省電力かつ安価に作れることを重視していること。実験的なアイテムではあるが、実用性、実現性も考慮していることが伺える。本体は350mA/hのバッテリ込みで55g。無線で接続し、約6時間動作するという。

 ただし、これらの条件を満たすため、アクティブ・フォース・フィードバック、つまり常に応答し続けるシステムは断念したとしている。リアルさをとことん追求するのも興味深いが、こうしたミニマルな方向性の研究も進んでいる。エンドユーザー向けのVRグローブが商品化された時、こうした研究がどのような形で結実するのか楽しみだ。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

この内容で送信します。よろしいですか?