VRもギリギリ行ける? GeForce GTX 1050、同1050 Tiの情報が公開

 2016年10月18日、NVIDIAは新しいビデオチップ、GeForce GTX 1050と同GTX 1050 Ti(以下GTX 1050、GTX 1050 Ti)を発表した。位置付けはミドルクラスの下位となる。発売はGTX 1050が11月5日頃、GTX 1050 Tiが10月25日と若干のずれがある。価格はそれぞれ100米ドル、139米ドルだが、国内価格は未発表だ。NVIDIAの独自クーラーを搭載した「Founders Edition」は用意していないという。

 主な仕様は下の画像の通りだ。上位のGeForce GTX 1060(以下GTX 1060)と比べると、CUDAコアの数が大幅に減り、動作周波数も下がっているのが分かる。メモリーも容量と帯域が減り、かなりのスペックダウンとなっている。GTX 1060の6GBモデルの価格が発表時に249米ドルなので、価格なりの性能差と言えるだろう。一方でTDPは両チップとも75WとGTX 1060から45Wも下がり、標準仕様では補助電源が不要となっているのは魅力的だ。

 性能面では、GTX 1050がGeForce GTX 650の約3倍、同GTX 750 Tiの約1.5倍としている。直近のGeForce GTX 950をグラフに載せていないのは、数年前に購入したミドルクラス下位のグラフィックスボードを置き換えることを主眼としているためと思われる。

 Founders Editionが無いため、発売当初から各メーカーの独自クーラーを搭載した製品が店頭に並ぶ。NVIDIAのWebサイトでは各社の製品の写真が掲載されている。

 本稿の執筆時点で、NVIDIAはGTX 1050と1050 TiがVRに対応するかを明言していない。一般的なVRゴーグルの推奨環境がGeForce GTX 970以上のため、普通ならば非対応と考えるのが当然だ。しかし、実はそうとも言い切れない。

 10月5~7日に米国で開催されたイベント「Oculus Connect 3」にて、Oculusは「ASW(Asynchronous Spacewarp)」という技術を発表した。これはフレーム間の画像を補完する技術で、秒間45フレームで描画された映像を90フレーム相当にする。OculusのVRゴーグル「Rift」の液晶ディスプレイは90Hzで動作するため、従来は90fpsを維持できるグラフィックスボードが必要とされていた。しかしこのASWを使えば45fpsでもOKということになり、グラフィックスボードへの要求スペックを大幅に引き下げられる。同社はこれを受け、Riftの動作環境に従来からの「推奨」に加え「最低」を追加した。この最低動作環境が「GeForce GTX 960以上」だ。下の画像はASWの動作イメージ。Oculusの開発者向けブログから引用した。その下は追加された最低動作環境の表。

 問題は、GTX 1050とGTX 1050 TiがGeForce GTX 960の性能を超えられるかだ。これに関して、ニュースサイトの「Road to VR」はNVIDIAのコメントを紹介している。

・NVIDIA Expects New $139 GTX 1050 Ti GPU to Meet Oculus Min Spec
http://www.roadtovr.com/nvidia-geforce-gtx-1050-ti-oculus-minimum-specification-virtual-reality/

 上記記事によると、GTX 1050は難しいだろうとしつつ、「NVIDIAはGTX 1050 TiがRiftの最低動作環境を満たせるかOculusと検証を行っている」という。ただしNVIDIAとしてはあくまで「ASWを使わずとも90Hzを維持できるGTX 1060がVRの環境にはお薦め」としているようだ。

 ASWはOculusの技術のため、HTCの「Vive」では利用できない。そのため仮にGTX 1050 TiがRiftの最低動作環境を満たしたとしても、それをそのまま「VR対応」と受け取るわけには行かない。しかし、139米ドルのグラフィックスボードでVRが体験できるとなれば、今後の発展に大きな役割を果たすことになるだろう。動作環境のハードルが下がれば、VRがより身近になることは間違いない。

Reported by 宮川泰明(SPOOL

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