“空中”に思い通りの絵を描けるVRお絵かきソフト「Tilt Brush」

 みなさんは絵を描くのはお好きだろうか。私は正直なところ絵が苦手で、とてもではないが好きとは言えない。しかしVRお絵かきソフト「Tilt Brush」は、触れた瞬間に素晴らしいソフトだと確信した。絵心のあるなしに関わらず、VRに興味を持った人は真っ先に試して欲しいソフトだ。

 「Tilt Brush」は、Googleが開発したVRお絵かきソフト。一言で言えば、VRの3次元空間に絵が描けるソフトだ。言葉で説明してもピンと来ないと思うので、まずは筆者の落書きの様子を見ていただこう。

 絵を描く空間、いわゆるキャンバスはいくつか用意されている。今回は雪だるまが置かれている空間を試した。とりあえず何か描いてみよう。

 こんな感じになる。操作は、右手のコントローラーがペン、左手のコントローラーが各種メニュー操作端末となる。HTC Viveのコントローラーは空間位置を認識できるので、コントローラーを目の前に持ち上げると、VRゴーグルで見ている空間にもコントローラーが見えてくる。後は右手を動かし、描きたい場所でトリガーを引く。

 左手のメニューデバイスでは、ペンの色や形を変えたり、キャンバスを変えたりできる。ペンと言ってもブラシのようなものばかりではなく、虹を描いたり、空間に雪を降らせたりと、現実にはありえないペンが様々ある(と言っても、空間に絵を描くという時点で現実にはありえないが)。

 いろんなペンを試して落書きした雪だるまがこちら。大変雑な落書きとはいえ、特に悩むことなく、すぐにこういう落書きができてしまうのが面白い。そしてもう1つ大事なことは、これが空間に描かれたものだということだ。それがどういうことかは、VRゴーグルを付けたまま、雪だるまの横から覗き込んでみればわかる。

 手は胴体から伸びていて、ちゃんと雪だるまになっている。なぜなら、空間に立体的な絵を描いているからだ。当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれないが、筆者はお絵かきソフトを使ったのであって、雪だるまを転がしたわけではない。

 もう1つの例を見ていただこう。こちらは宇宙空間に浮かぶ月がキャンバスになったもの。こういうものを見たら、天体大好き少年だった筆者はすぐにこう落書きする。

 月に輪はないが、描きたくなったのだから仕方ない。これももちろん、いろんな方向から眺めることができる。横や後ろ、上や下から見てもいいし、ぐっと近寄って見てもいい。

 後からいろんなペンで落書きしてしまったが、空間に絵を描くという意味はご理解いただけただろうか。平面のキャンバスとは違い、あらゆる方向から見られる作品を描ける、また後から眺められるというのが、地味ながらインパクトのある体験になる。

 筆者が「Tilt Brush」を最初のVR体験ソフトとして薦めるのは、VRヘッドセットとVRコントローラーがあると何ができるのかが、最も直感的にわかるソフトだからだ。ただコントローラーを持ち上げて、トリガーを引きながら動かすだけでいい。それでVRの本質と言うべきものが、誰でもすぐに理解できる。

 そんな難しいことを考えなくとも、ただ空間に線を引くというだけで未だかつてない感覚を味わえるし、いろんなペンやキャンバスを試しているだけでも驚くほど楽しい。ゲームではないが、「VRってこんなに楽しいことができるんだ!」ということが、シンプルに伝わる素晴らしいソフトだ。

 「ドスパラVRパラダイス」で体験する際には、ぜひとも真っ先に落書きに興じて欲しい。ただし、これ1本で制限時間がなくならないようにご注意を。

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