第9回:今が旬!? Steam配信の「2Dアクションゲーム」が熱い!

第9回:今が旬!? Steam配信の「2Dアクションゲーム」が熱い!

家庭用ハードでめっきり見かけなくなったのと反比例するように、PCゲームで盛り上がっているジャンルが2Dアクションゲームだ。前回紹介した『Gears of War』シリーズの開発者も語っていたように、80〜90年代のポリゴン以前の国産ゲームは、海外クリエイターにカリスマ的な人気がある。『スーパーマリオブラザーズ』や『ロックマン』でゲーム創作に目覚めた人たちもいるほど。

一方で2Dアクションは、資金が豊富とはいえないインディーズにとっても開発のハードルが低い。お金をかけなくても、根気と熱意さえあれば……ということで、少人数で数年かけてコツコツ作った力作も豊富だったりする。

今回は、そんな2Dアクションの佳作を2本まとめてご紹介。攻略の歯ごたえややり込み性の深さもあり、コストパフォーマンスもばつぐんだ!


『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を正統進化させた『FREEDOM PLANET』

FREEDOM PLANET

まず一本目に紹介するのが『FREEDOM PLANET』、リリースされたのは2014年の7月。すでに3年前の作品とあり、Steamでも半額セールの常連だ。

かと言って、ゲームの面白さは古くなっていない。なぜならセガが90年代に一世を風靡したタイトル、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』への愛から生まれたゲームだから! 初めから20年古かったのだから、それ以上古くなりようがないのである。

開発元はGalaxyTrail、デンマークのデベロッパー。もともと本作は「ソニック」の二次創作として開発スタートしたものの、途中でオリジナル作品へと方針転換。Kickstarterで資金を募るなどの道のりを経て、PCゲームとしてリリース。2015年にはWiiU版(海外のみ)も配信されている。

そんな経緯もあって、本作は「ソニック」と同じく横スクロールのステージクリア型アクション。主人公はドラゴンのライラック、ワイルドキャットのキャロル、バセットハウンドのミラの3人。

操作可能な3キャラのうち、主人公的な位置づけのライラック。ドラゴンの少女で、スピーディーな動きと高い攻撃力で扱いやすい

操作可能な3キャラのうち、主人公的な位置づけのライラック。ドラゴンの少女で、スピーディーな動きと高い攻撃力で扱いやすい


彼ら3人のいずれかを操作して、強大な力を秘めた3つの石「キングダムストーン」を手に入れて全宇宙の支配を企むロード・プレヴォンとその軍勢に立ち向かうというストーリーだ。

ゲームモードは3つ。お話が幕間のデモで語られるアクションモード、デモを省略してひたすらステージクリアするクラシックモード、クリア時間の短さを競うタイムアタックだ。このうちミラが使えるのはタイムアタックのみ(ストーリーモードでは途中で登場するため)。

画面写真を見てもお分かりの通り、いかにも「ソニック」の故郷であるセガ・メガドライブっぽい色調。それもそのはずで、わざわざ16色のシバリを課してる徹底したこだわりようだ。やはりソニック風をうたうなら、このくすんだ色じゃないと!

逆に「ソニックらしからぬ」点は、探索のしがいがある広大なマップ。足場を踏み外してもほとんど死ぬことはなく、落ちた先にも別のルートが続いている。隠し通路やアイテムもたくさんアリ。各ステージに10枚ずつあるカードを見つけて隠し要素を解放もでき、やりこみに耐える作りだ。

ただ、スピーディーな動きを楽しむアクション性と、「メトロイド」のような行ったり来たりの探索って矛盾してない? と思うところもあり。そこはじっくり遊ぶストーリー/クラシック、まっしぐらにゴールを目ざすタイムアタックで切り分けてるのかもしれない。

アイディアがたっぷりに盛り込まれ、ていねいに作り込まれたステージに対して、後ろから転がる大岩に追いかけられる大ピンチを抜けると出現! という風な豪快さが魅力の中ボスたち。

岩に追いかけられるライラック。「ドット絵で『インディー・ジョーンズ』のような演出」という90年代アクションのアツさが蘇る!

岩に追いかけられるライラック。「ドット絵で『インディー・ジョーンズ』のような演出」という90年代アクションのアツさが蘇る!


ウネウネと首をもたげてレーザーを撃つ巨大なヘビ、2つの鎌で切りつけてくるカマキリ、なつかしの多関節キャラだ! コナミの『魂斗羅』やトレジャーの『ガンスターヒーローズ』などのドット職人芸が受け継がれ、新たな命が吹き込まれた感動がこみ上げる。

ライラックでクリアした後も、バイクに乗って「ロックマン」的な動きをするキャロル、ブロック状のエネルギーを使いこなすミラの2人で攻略できるお楽しみが残っている。まるで別のゲームを遊んでるような感覚で、一粒で3倍美味しいのだ。

ステージの最後に待っている中ボスたちは、全て多関節のデカキャラ(死語)。3Dポリゴンが当たり前の中で、あえてドット絵でグリグリ動かす心意気やよし!

ステージの最後に待っている中ボスたちは、全て多関節のデカキャラ(死語)。3Dポリゴンが当たり前の中で、あえてドット絵でグリグリ動かす心意気やよし!



ドスパラポイントでSteamウォレットにチャージ出来ます!

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ゲームフリークが送る物理アクションパズル『GIGA WRECKER』

GIGA WRECKER

「ポケモン」シリーズで知られる会社ゲームフリーク。が、その原点はアクションゲームにあり。もともと田尻智氏らの主催する同人誌サークルだったが、ファミコンを自力で解析してアクションゲーム『クインティ』を開発(販売はナムコ)したのがゲームデベロッパーとしての原点だ。

その後も『ジェリーボーイ』や『パルスマン』などの傑作を送り出してきたのに、「ポケモン」の輝きで隠されてしまう悲しさ。『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』はゲームボーイミクロとセットで買って遊び倒しましたよ……(遠い目)。

そんなゲームフリークがアクションに帰ってきたのが、本作『GIGA WRECKER』。いや、正確には象が主人公のアクション『Tembo the Badass Elephant』が2015年にリリースされてたわけですが、Xbox OneやPS4など家庭用は海外のみ。Steam版は国内で買えるものの、日本語版はナシだった。

『GIGA WRECKER』は完全に日本語対応。しかも、今回がSteamでは初の自社パブリッシングだ(3DSでは『ソリティ馬』の前例があったが)。『Tembo』は販売がセガだったんですね。

開発チームは、ゲームフリーク社内の若手が中心だ。社員が自ら企画を提出する「ギアプロジェクト制度」から生まれたゲームの4本目で、「自分たちのやりたいこと」がタップリ詰め込まれた意欲作に仕上がってる。

主人公は「烈景寺レイカ(れっけいじ れいか)」。舞台は謎のロボット軍団に支配された世界だ。襲撃に巻き込まれて瀕死の重症を負ったレイカは、怪しい博士に助けられて改造人間にされ、新たに手にした力でロボット達への復讐を誓う。どこの仮面ライダーV3ですか……という、古典的ながら燃えるストーリーだ。

主人公の烈景寺レイカは改造人間である。ロボットの血液である液状ナノマシンが付いたガレキや鉄くずを集めて操作する「リコール」能力を持っている

主人公の烈景寺レイカは改造人間である。ロボットの血液である液状ナノマシンが付いたガレキや鉄くずを集めて操作する「リコール」能力を持っている


機械化された左腕には、「瓦礫や鉄くずを武器や道具に再構築できる』アルケー能力が秘められている。邪魔な岩やコンクリートを破片に変え、それを集めてはさらに大きな塊とする。大きければ大きいほど破壊力があり、より強い敵を倒せるようになる。

ただぶっ壊すだけではなく、集めた瓦礫は武器に変えられる。破片をブロック状に固める「ロック」、敵や地形を切断する「ブレード」、ミサイルを発射する「ドリル」、その上に乗れる槍を発射する「ジャベリン」。この4つを状況により使い分け、道を切り開いていくことになる。

レイカのもう一つの力が、ガレキから道具や武器を作り出す「アルケー」能力。巨大なブロックを作り、足場にしたりボタンを押す重しにしたりできる

レイカのもう一つの力が、ガレキから道具や武器を作り出す「アルケー」能力。巨大なブロックを作り、足場にしたりボタンを押す重しにしたりできる


本作は「2D物理アクションパズル」の性質が色濃くなっている。ゲーム内にある敵やオブジェクトはすべて物理エンジンで動かされており、壊された地形の破片は重力に引かれて落下し、下敷きになった敵は押しつぶされる。支えていたロープを切られた足場は動き、その上で重心を移動させてやればブランコのように左右に揺れ動く。

ゲームの進行は一つの仕掛けを解いたら次の仕掛けに出くわし、頭を悩まして次に進むという感じ。初めのうちは操作練習も兼ねているので「地形を崩して足場にしましょう」程度だが、「回転ノコギリの上に地形を落とし、崩れない内に渡りましょう」とか「まず上に飛び跳ね、地形の接点を切ってから下の土台を削って」など複雑になっていく。

しかも物理エンジンのため、ちょっとした操作のズレでオブジェクトの挙動が大きく変わる。破片を細かく砕きすぎて敵を潰せない!とか、途中で足場がなくなって針山に串刺し!など、取り返しの付かないことが起こりがちだ。時間の巻き戻しができるのでやり直しは簡単だが、パズル一個ごとの知恵カロリーはかなり高い。

レイカの前に立ちはだかる数々の物理アクションパズル。連結部分を壊して地形を下に落として上を登り……と理屈は分かっていても、実践するのは難しい

レイカの前に立ちはだかる数々の物理アクションパズル。連結部分を壊して地形を下に落として上を登り……と理屈は分かっていても、実践するのは難しい


その上、アルケー能力やボスステージのロックを解除するには、広いマップを探索しないといけない。さっきクリアした場所を行ったり来たりで、展開は意外とまったりしている。とは言え、同社の『パルスマン』を進化させたようなサイケな背景アートは何度見ても刺激的で、歩き回るのにウンザリすることもないはず。

一方でボス戦は、激しいアクションの駆け引き。ここでもアルケー能力が大活躍で、敵が投げつける剣を弾き飛ばし、破片を集めて塊を作り、大きく育ててぶつけるなど。突進する/火炎弾を振らせたり、ボスの攻撃を何回も食らって「死んでパターンを覚える」古き良きアクションゲームの基本に忠実だ。

やはりステージ最後には中ボスが配置。まず小型メカを壊してリコール→大きな塊にしてからボスにぶつけるなど、自分なりのパターンを構築する伝統のアクションゲームだ

やはりステージ最後には中ボスが配置。まず小型メカを壊してリコール→大きな塊にしてからボスにぶつけるなど、自分なりのパターンを構築する伝統のアクションゲームだ


脳を使い倒す物理パズルもあり、歯ごたえあるボス戦もあり。裏返せばパズルが得意な人はボス戦でつまずき、アクションが好きでもパズルで心が折れる恐れもあるが、「苦手を克服する楽しみ」もあるでしょう。

クリア時間は約10時間ほどで、ボリュームもクォリティも問題なし。それに、今回の試みが大成功すれば、「ゲームフリークの新作アクション」がまた楽しめるかもしれない。たった1480円の定価は、未来へのチケットとしては安すぎると思いますよ。


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Reported by 多根清史


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