指紋認証の仕組みと日常に潜むリスクとは?

誰にも見られたり使われたりしたくないとき、パスワードや暗証番号など自分しかわからないような文字や数字を入力して本人確認をします。
最近では、このような本人確認を指紋で判断するものが増えてきました。
指紋認証の仕組みや利便性、注意点についてご紹介しましょう。

指紋認証とは

指紋認証とは、センサーにタッチすることで簡単に端末へログインできる本人確認方法の1つです。
指紋認証の他にもカメラを使った顔認証や、声の音波を識別する声紋認証など、指紋認証と合わせて「生体認証システム」と呼ばれることもあります。

生体認証システムは”変わることのない個人の特徴”を使っており、指紋もまた誰ひとりとして同じ形をしていないため、他人のなりすましが困難なことが特徴です。

その特徴から銀行ATMや研究施設など、セキュリティの固い分野をはじめとして、さまざまなシーンで指紋認証が導入されています。

指紋認証の仕組みについて

指紋認証を行う技術は、いくつか種類があります。
光学式、静電容量方式、電界強度測定方式、感圧式や感熱式といったものです。
今回はGALAXY やiPhoneなどのスマホでも使われている静電容量方式を取り上げてご説明しましょう。

私たちの指は、わずかですがデコボコした表面になっていることをご存知ですか?
この凹凸が指紋。指はかすかに汗をかいており、汗が電気を通す性質である電解質を含んでいます。
一方、指紋を認証するボタンの内側には、何万個もの小さな電極が埋め込まれています。
指紋センサーがついたボタンに直接触れると、指紋の凸の部分に電気が反応。
指紋が触れたところの電極のほうに、電荷(電気の量)がより集中して蓄積されていきます。
この電荷が集まっている電極の位置をデータ化し、指紋画像データを作成するのです。

指紋画像データが完成したら、次は指紋が一致しているかの判断をします。
登録した指紋と読み取った指紋を比較するわけですが、実は指紋の全てを比較していくわけではありません。
一般的に20~40個ほどの特徴点で比較が可能いわれています。
同じような模様に見える指紋でも、いくつかの特徴点があります。
この指紋の特徴点(三角州のようになった部分や線の分かれ道など)が中心からどの位置にあるかを自動で判断して比較するのです。

指紋認証の利便性

従来の認証システムと言えば、パスワードの設定や暗証番号の入力が主流でした。
しかし何らかの方法でパスワードが盗み出されると、第三者に簡単に侵入されてしまいます。
盗み見されないようにと難解なパスワード設定をしたとしても、設定したパスワードを忘れてしまい自分自身も解除できなくなる場合も考えられます。

指紋認証では自分の指だけでよいので、パスワードを書き留めておくなどの面倒な管理が必要ありません。
パスワードが盗まれる心配もないでしょう。
覚えておかなくてもよいという点は、指紋認証の利便性としての大きな要素と言えます。

またスマホを扱う中で、アプリのダウンロードやコンテンツの購入などパスワードを入力する機会が多くあります。
しっかり暗記していても入力する時間に数秒はかかってしまいますが、指紋認証の平均照合時間は0.3秒。面倒な入力よりも、瞬時に判断する指紋認証がよりスピーディであることは明らかです。

しかしながら指紋認証にはまだまだ課題があることも事実です。
例えば、指先が汚れていたり、指先を怪我していたり、なんらかの事情で指紋が薄くなると指紋認証でログイン等を出来なくなることがあります。
また指紋認証リーダーによっては、ちょっとした角度の違いで指紋が読み込めないこともあります。
ただしこちらは運用方法で回避することが可能です。
一般的な方法としては複数の指紋を登録しておくことです。指紋認証はほとんどのデバイスで複数の指紋を登録できます。
違う指や角度の違う指紋を登録しておくことで、スムーズに指紋認証を使ってログイン等をしやすくなるでしょう。
その他、肌の乾燥が原因で季節によって認証されにくい場合もあります。その場合は再度指紋登録してみることをおすすめします。

指紋認証の落とし穴

パスワードのように暗号を盗まれないというメリットはありますが、指紋認証は必ずしも盗まれないとは言い切れません。
なぜなら、実際に画面に指をタッチするため残っている指紋が写し取られる可能性もあるからです。
シリコンなどの素材を使って、指紋を偽造することもできます。

また、眠っている間に勝手に自分の指を使われてロックを解除されるという事例も起きています。
例えば家族であっても、自分が眠っている間に指を使ってスマホのロックを解除し、知らない間に子どもが操作してネット通販で高額の商品を購入してしまうかもしれません。
利便性は高いですが、セキュリティ面ではまだまだ課題がありそうです。


チケットの本人確認やATMの指紋センサーなど、最近では指紋認証を行う場面が増えてきました。
時間がかからずパスワードを覚える必要のない便利な指紋認証ですが、指紋の偽造や寝ている間の悪用などリスクや注意点をしっかりと意識して利用しましょう。

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